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RUNNET TRAIL コラム

わくわく山走りリポート

  • 伊勢路トレイルジャーニー

開催日:2017年1月7日(土)~ 1月8日(日)
開催地:三重県
距離:40km+40km
完走者/出走者:1日目 6人/6人(完走率100%) 2日目5人/7人(完走率71%)

熊野古道を地図を片手にスタート!
伊勢路トレイルジャーニー

レポート/今栄恵子さん

今年で3回目の参加となるイベントを出走レポートします。
コースは熊野古道の伊勢路を辿るもので、1日目がJR紀勢本線の梅ケ谷駅付近をスタートし、4つの峠と旧街道を走るロードがメインの40km。尾鷲のゴール地点は、翌日も走る参加者の宿になっています(今回女性参加者は別宿となりました)。
2日目は尾鷲から9つの峠を越えて熊野市の七里御浜までのトレイル率5割の40kmです。

わたされた地図でコースを探しながら走る

このイベントの特徴は、①超少人数参加 ②主催者から与えられた地図を頼りに、自分でコースを探しながら走る ③制限時間に間に合いそうでなければ途中で電車・バスなどでのワープを工夫する(ただし完走にはならない)。

1日目、霜が降りる寒さの中、スタート地点で行動食の名物「めはりずし」をもらい7:05スタート。最初は練習会のように皆でかたまって走ります。

しばらくすると、ツヅラト峠に向かう山道に入ります。熊野古道の特徴である、大きな石畳の道を上って行きます。実は初めて参加した一昨年、この道で右足首を捻り(結果的に骨折だった)スタート早々リタイアしたので、この峠を越える際は特に集中して注意しながら走りました。

峠を下りると、紀伊長島の集落を通り、海辺の景色のよいところを走ります。配布された地図にはトイレやコンビニの場所が記載されているので、各自必要に応じて立ち寄ります。こうやって参加者は、徐々にバラけていくのですが、また途中で出会って合流する、というおもしろさがあります。

寄り道登山で絶景を楽しみ、コースアウトも臨機応変に

峠道の途中の休憩場で「めはりずし」を食べていると、後から来た参加者も次々休憩。そしてまた全員揃って出発、というのはレースではないからこそ。

地図には国道から細い道に入り、また国道に出るという箇所がいくつもあります。そのまま国道を走り続けてもいいのでしょうが、これは「熊野古道」に忠実に従うため。ときどき見かける表示を探しながら走ります。

地図を片手に熊野古道を走る旅!
地図を片手に熊野古道を走る旅!
最初はみんなでかたまって走り始め徐々にペースに応じてバラけていく
最初はみんなでかたまって走り始め
徐々にペースに応じてバラけていく

4つ目の馬越峠へは、特に大きな石塊の道。これらの石を運んで道を作った人々、その道を歩いて巡礼した人々のことを考えさせられる道です。

馬越峠を下ると一日目のゴール地点ですが、制限時間まで余裕があり、快晴で絶景が見られるというので、一緒に走ってきた参加者2名とコースを外れ、天狗倉山に登ることにしました。普通の大会だったら考えられないことですね。頂上は巨岩でできていて、絶景を堪能できました。コースアウトの40分を入れても14時頃にゴール。翌日に備え、宿で各自休息します。

峠を越えると海辺の集落に出る。初日は晴れていたので素晴らしい景色が楽しめた

峠を越えると海辺の集落に出る。初日は晴れていたので素晴らしい景色が楽しめた

レースでも練習会でもない、それぞれのペースで制限時間内に楽しみながら走る旅RUN

レースでも練習会でもない、それぞれのペースで
制限時間内に楽しみながら走る旅RUN

宿泊地でもある初日のゴール、尾鷲に到着!

宿泊地でもある初日のゴール、尾鷲に到着!


風雨の中の海岸線ひとり旅!が、参加者に出くわしひと安心

2日目、天気予報どおり朝から雨模様の中、7時にスタート。
この日一番ハードと言われる八鬼山へは全員でかたまって行きました。
山中の石畳が濡れて滑るので、特に下りは各自のペースで行き、次第にバラけました。
この日は峠を越えては湾岸の集落に出るを繰り返すルート。一か所下りる箇所を間違えたようで、海岸線に出てしまいました。

通常の大会なら戻るべきところなのでしょうが、地図を見ると海岸線を進めば合流地点があります。主催者に電話連絡を入れ、許可をもらって急遽違うルートを進むことにしました。海岸線は雨風が強く寒かったので、とにかく必死で走りました。悪天候の中、ひとりで走っているので、漁港の方々が不思議そうに見ていました。

地図上の合流地点に着くと、たまたまひとりの参加者が休憩を取っていました。コースアウトで皆と離れてしまったので、ゴールまでひとり旅かと心細く思っていたので、偶然会えたことがとてもうれしかった!

苔むした石畳の古道からゴールの七里御兵へ

その後も他の参加者と付かず離れずを繰り返し、いよいよ最後の峠越え、松本峠へ。この道はルートの中でも特に苔むした石畳の風情漂う、私の好きな道です。
峠のお地蔵さんに合掌して、ゴールの七里御浜へ。海岸では1kmの砂利浜を進みます。

砂利に足をとられ、なかなかうまく走れず、長い長い1kmの先にこじんまりとしたゴール。悪天候のため、昨年より時間がかかりましたが、何とか制限時間に間に合いました。
このイベントは1日のみの参加もできるのですが、やはり2日連続の参加をおすすめしたいです。

イベント名のトレイル・ジャーニーのとおり、2日間伊勢路の足旅を満喫できるからです。
穏やかな湾岸の景色、石畳の古道、昔ながらの集落の暮らし……、地図や標識を頼りに、自分で道を探しながら進むというのは普通の大会では味わえないものです。


2日目はあいにくの雨。滑らないようにいつも以上に注意しながら進む
2日目はあいにくの雨。
滑らないようにいつも以上に注意しながら進む
風雨の中の40kmのラン。フィニッシュは日本の渚百選にも入っている七里御浜!
風雨の中の40kmのラン。フィニッシュは
日本の渚百選にも入っている七里御浜!

今栄 恵子さん

トレラン歴約8年。大阪在住。通訳案内士。
普段は箕面や京都、ダイヤモンドトレイルなどを走ったり、イベントを利用してトレーニング。箕面では月1回山の清掃活動にも可能な限り参加しているそう。大会はミドル~ロング中心で、山岳系より里山や、いろいろな風景が見られるジャーニー系に好んで出場。昨年は Estrela Grande 42k (ポルトガル) という、海外の大会にも出場。「2017年の目標は、内臓強化と、楽しく走ること!」






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