稜線と湖畔を1度に走れるハコネの素晴らしさ

　箱根は素晴らしい、心の底から思う。足もとに芦ノ湖、霊峰富士を背負い、緑の稜線が目の前に広がる。尾根道のその先には伊豆半島、右は駿河湾、左は相模湾。ロープウェイが地獄谷の天空を泳ぎ、湖に海賊船が浮かぶ。登山電車は温泉巡り電車、各駅どころか、線路脇そこら中に温泉が湧き出ている。
　2007年に行われた「OSJハコネ50K」のレースコースにも使われた外輪山稜線トレイル。前半は厳しいのなんの、走って楽しいのは後半、芦ノ湖側だ。
　湖尻（桃源台）まではバスで（湯本からの路線バスのほか、新宿からの高速バスもあり）。湖へ下りていくと芦ノ湖キャンプ村。隣は湖尻水門だ。ここから先は左手に芦ノ湖を見ながらのトレイル、芦ノ湖西岸遊歩道。15分ほどで、深良水門手前に外輪山稜線コースに上がる分岐。厳しい坂だけど、ちょっとがんばろう。上ったところが湖尻峠、外輪山稜線に合流だ。
　さあ、稜線をひた走る。夏に近づけば近づくほど左右の藪は濃くなり、しまいにはトンネルになっちゃって走りにくい、5〜6月がちょうどいいかな。
　それでも雨の翌日は（当日が晴れていても）、水分をたっぷり含んだ藪が襲ってくる。びしょ濡れになるから覚悟。僕はここでデジカメをひとつダメにした。三国山、山伏峠を越えて海の平へ。芦ノ湖スカイラインの料金所の脇から緑の草原を駆け下りるとそこは箱根峠。そのまま関所跡に進み、箱根町港の海賊船に乗ってスタート地点に戻ってもいい。桃源台からゆっくり走って2時間ほどだ。
　まだ走り足りないなら、芦ノ湖畔に下りて、芦ノ湖西岸遊歩道を湖尻（桃源台）に向かって戻るのはどうだろう。湖畔沿いだからいっさいのアップダウンなし、ゆっくり走るもよし、カッ飛ばすもよし。桃源台までのんびり走って1時間といったところだ。