RUNNET TRAIL コラム
トレラン・レースリポート
- 瀬戸内アイランドトレイルin呉・上蒲刈島
開催日:3月29日(日)
開催地:広島県呉市・上蒲刈島
参加者数:683人(うち669人完走)
アップダウンに富んだハードなコースと
瀬戸内海を一望する素晴らしい景色と
リポート/新谷 竜治さん
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会場は、映画『海猿』のロケ地になった「県民の浜」 |
広島県呉市の上蒲刈島(かみかまがりじま)で行われた、「瀬戸内アイランドトレイルin呉・上蒲刈島(かみかまがりじま)」に出場しました。
上蒲刈島は、瀬戸内海の中部に位置し、本州側から
「安芸灘大橋」→「下蒲刈島」→「蒲刈大橋」と、陸路で渡ることができる島です。
この大会は、レースアドバイザーの奥宮俊祐さんによりコース設定された大会で、ロング22km、ショート11kmのトレイルレースです。
ロングは上蒲刈島の七国見山(ななくにみやま・標高457m)と
奥山(標高420m)という山を縦走するコースを利用しています。七国見山は、瀬戸内海の景色を楽しむための登山ができる山として人気があります。
スタート地点は、映画『海猿』のロケ地にもなった
「県民の浜」。ロングコース2グループ(A・B)、
ショートコース2グループ(C・D)と、4つのウェーブに分かれてのスタートでした。
私は、ロングAグループスタートでした。
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4つのグループに分かれてウェーブスタート |
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まずは階段地獄・・・。が、振り返るとこんなに美しい景色 が広がる! |
最初の難関は300m登る階段地獄!
スタート直後しばらくはロードを走り、七国見山ハイキングセンターからトレイルに入ります。
ここで、いきなり標高差300m近くの階段地獄が登場!!
初めての参加者には心折れそうになるようですが、昨年に続き2回目の私は、心の準備ができています。
上りも好きなので(上りがあれば下りもありますから)、楽しみながら一歩一歩リズムよく登っていきました。
後方になると軽い渋滞にはまるので、階段入口まではちょっと速めに。階段を登り切って後ろを振り向くと、真下には瀬戸内海!! そう、この大会、トレイルレースなのに海が見えるんです!
スタート時に曇っていた天候も、次第に晴れわたり、きれいな景色が広がっていました。さらに急登してやっと七国見山山頂を通過。ここまでに、いかに脚を使い切らず残しておけるかが、このレースのポイントだと思います。
しばらくアップダウンを繰り返しながら七国見山の最後の下りは激下りです。木段もあるので、要注意でした。
ここを下りきると第一エイドです。
エイドステーションには、水、スポーツドリンクのほか、コーラ、バナナや柑橘類、もみじ饅頭、ピープ(広島のロングセラー菓子パン)、フルーツポンチ、蒲刈特産の藻塩なども置いてあり、充実しているので、今回私はジェル2つだけの携帯で走れました。ここでしっかり補給して、ボランティアのみなさんにエールを送られて元気になって出発です。
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上りあれば、必ず下りもあるさ! |
七国見山の山頂からの景色は最高に美しい! |
充実のエイドステーションで助かります! スタッフの笑顔とホスピタリティもGood! |
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上りと下りを切り替えながら、気持ちのよいトレイルを 走る |
上りは下りの楽しさを考えながら踏ん張る!
ここから奥山山頂へ向かっては、ほとんどまっすぐ登っていく、少々急登なコースが続きます。ずっと先まで上り坂が見えるので心折れそうになりますが、
「次の下りを楽しもう!」と考えながら踏ん張りました。
山頂付近からは下り基調。ついつい「イヤッホー」と声が出るくらい気持ち良いトレイルが続きます。途中、奥宮さんが描かれたイノシシの絵を楽しみながら(イノシシが水浴びするための大穴が所々にあるため、絵入りの注意看板が出ている)どんどん下っていきます。
これまた木段があるので(しかも落ち葉で見えにくい!)、「ポンポンポーン」とリズムよく下りました。下りきると、安芸灘大橋を望みながら、しばらく登りのロードが続きます。正直ロードは苦手なので、前のランナーを追いかけながら、景色を楽しむことを忘れずに踏ん張りました。
ロードから、今度はいきなりみかん畑の山へ入ります。ジャングルみたいな鬱蒼とした山で、ロードからのとりかかりは、ロープをつたって登ります。ワイルドなトレイルでテンションはさらにアップ! 昨年は確か雨上がりだったので、ここでズルズルでしたが今年は良い状態! と思いきや、落ち葉でツルツル。傾斜も急なので、今年もズルっとやってしまいました。それもスリル満点! ようやく登り切っても迷いそうなジャングル。テープを手掛かりにトレイルを見つけるジャングルのようなコースでした。
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ポンポンと、リズミカルに気持ちよく下りていこう |
注意を呼びかける手描きの看板。 |
ロードからミカン山に入るところは急斜面なので、ロープをつたって登っていきます |
けっこう楽しい! すれ違いのトレイル
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上りと下りが交差する区間は、ちょっと緊張するけど、 選手同士でエールを送り合えるのも楽しい |
上り切ってしばらく行くと、来たルートに合流し、奥山頂上に向かって、また戻ることになります。この間はすれ違いになるので、見知らぬ人からは「ファイト!」と声をかけられ、知り合いとはハイタッチをし、元気をもらえる区間でした。ここで気を付けたのは、対向のランナーにぶつからないように、右側通行のルールを守ること。
山でのあいさつ「おつかれさまです!」という8文字がなかなか出せなかったので、「ファイトです!」とすれ違うランナーに声をかけるようにしました。すれ違い区間は、特にこちらが下りのときは気を付けなければいけません。できるだけ手前から「通りまーーーーす」と大きな声を出すようにしました。すれ違いのランナーのおかげで、山頂からの下りも一気に下ることができました。
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今回追加になった半島部分にできた「天狗の鼻トレイル」 |
今年は最後に2kmのタフなコースが追加!
奥山を下ると「県民の浜」へ向かうロードになります。一度登って一気に下るのですが、海沿いの高い場所にあるので、眺めは最高! このロードを下ると、昨年までは県民の浜へゴールしてダイブ! だったのが今年から2kmコースが長くなりました。小さい半島にある「天狗の鼻トレイル」から砂浜、そしてゴールというコースが追加されたのです。奥宮さんやスタッフの方々によって半島の先端までトレイルが続き、景色のよい海のそばで折り返すコースができたのです。
半島に入ると一度上って、砂浜に降り、また展望台まで上って岬で折り返し。スタッフの方に折り返しのチェックしてもらって、後ろを振り返ると、またまた上り!! これを上り切ると、あとは砂浜まで下ります。最後は砂浜を300mくらい走って、海をバックにゴール!! ロードで終わるより、トレイル(砂浜ですが)で終わる今年のコースのほうが私は好きです。しかも、海がバックのゴール写真が撮れるトレイルレースってなかなかないですよね。
ゴールでは、鯛飯や豚汁の販売もありました。近くには「かまがり温泉」もあり、帰り道には無人市で、ミカンやポンカン、清美オレンジなどの柑橘類のお買いもの。おいしいので結構お土産には喜ばれます!
第3回を迎えて、初心者の方も多く「きつい!」と言われますが、個人的には楽しめるレースだと思います。心が折れそうになるスタート直後の階段も、講習会などで上級者から学んだりすると、また違う上り方を味わうことができます。自分を試すにも、そしてゆっくり海と山の自然をぜいたくに味わえるにも、もってこいの大会です。来年も参加して、素敵な景色とアップダウンのトレイルをしっかり楽しみたいと思います。
※「瀬戸内アイランドトレイル in 呉・上蒲刈島」は、
次回は2016年3月27日(日)に開催予定です。
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最後は「県民の浜」でビーチラン。ゴールはすぐ |
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海をバックにゴール! ショート男子で優勝した石渡雄一さん |
スタート前にレースアドバイザーの奥宮 俊祐さん(最前列中央)と記念撮影 |
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リポーター/新谷 竜治さん
広島市のランニングショップ「RUN+」のトレイル体験会からトレイルランを始め、現在ランニング歴2年半。Jog Tribe Hiroshima 所属。広島県安芸高田市の中学校の社会科教師。
「広島のトレイルレースを盛り上げていくことと、子どもたちに走る楽しさを伝えていきたいと思います!」
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