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RUNNET TRAIL コラム

トレラン・レースリポート

  • 第1回日本三百名山鉢盛山2447登山マラソン

開催日: 2018年8月5日(日)
開催地: 長野県東筑摩郡朝日村
距離:
【鉢盛山38.3km】完走者数:102人/出走者数:178人 完走率:57.3%
【あさひプライム10km】完走者数:93人/出走者数:94人 完走率:98.9%

地域イベントと融合した温かな大会。ただしコース、関門はかなりタフ!

リポート/植田 賢一さん

日頃からトレイルランニングや登山で入り浸っている長野。厳しい関門にも挑戦心を掻き立てられ、ぜひ鉢盛山に登ってみたいと思いエントリーしました。


ロード、林道、トレイル。得意を活かして作戦を立てられるコース

自分が参加した鉢盛山コースは全長38.3km・累積標高1618m・制限時間7時間というコース。
朝日村役場をスタートして鉢盛山山頂で折り返して戻ってきます。
19kmほどで標高1618mを駆け上がり、それを駆け下りてくる単純明快なレースです。

コース全体は
「ロード」(5.7km 累積155m)
「林道」 (10.4km 累積757m)
「登山」 (2.7km 累積706m)

の3区間に大きく分けられます。

ノリのいいMCにテンションを高めてもらい、スタート前の雄たけび!
ノリのいいMCにテンションを高めてもらい、スタート前の雄たけび!


大半のトレイルランニングレースとは違うのが関門時間にあまり余裕がないこと。登山口にいかに早くたどり着けるかが、完走の成功を分けるカギになると思われました。
比較的勾配のゆるいロード区間が短いので、距離と累積標高の割合が高い林道のペースを上げるべく、ザックに折りたたみストックを装備してスタートしました。

●コース概要
http://hachimori-marathon.jp/about/


植田さんの装備
累積標高と厳しい関門時間を考慮して、トレランポール、暑さ対策にハイドレーション2Lを凍らせて携行。一口羊羹やグミや濡れ煎餅などのおやつ補給食を持ちました(苦手なジェルは保険として携行)。6Lのザックには山登りの常備グッズ(レインジャケット・ファーストエイドキット・熊鈴・ミニライト・固形補給食)を。ふだん人の入らない鉢盛山は登山道が荒れていると判断し、ラグの深いトレランシューズを選択しました。


ロードから林道へ。早くも暑さ対策が功を奏す

~第1エイド(4.0km地点・緑のコロシアム)
友人と前方に陣取り、スタート! 先頭集団はロードマラソンのような高速ペースで突っ込んでいくかと思われましたが、キロ5分ほどの比較的スローペース。自分もキロ5分30秒~5分45秒ほどのマイペースで淡々と走りました。

5.7kmあるロード。フラットだがまずは体力温存

5.7kmあるロード。フラットだがまずは体力温存

やがて林道に向けて坂を上る

やがて林道に向けて坂を上る

~第2エイド(11.7km地点・林道九十九折れ前)
第1エイドから1.5kmほど走ると林道入り口に。ここでストックを取り出しました。走力のない自分の場合、上りをだらだら走るより、ストックワークでのパワーハイクのほうが速いペースで進めるのです。


林道区間は時折高さを感じさせる展望や目指す鉢盛山方向が見えたものの、基本は地味で蒸し暑い、ガマンの区間。冷凍ハイドレーションはタオルを巻いていたのがよかったのか1/3も溶けておらず、背中のひんやり感をキープしつつ冷たい水を飲み続けることができました。11.7km地点の第2エイド(林道エイド)では友人がスタッフをしており、水と元気をもらいました。

地味で長い林道ゾーンの闘い
地味で長い林道ゾーンの闘い


一気に標高を稼ぐ林道後半へ! 関門へのプレッシャーが襲う

~第3エイド(16.1km地点・登山口)
林道エイドを出発すると九十九折れが始まり、一気に標高を稼ぎます。走っている選手はほとんどおらず、みんな息を上げながら上っていきました。私は次に待つ鉢盛山の上り下りに備え、持参していた補給食の大半をこの区間で補給。


関門1時間前(スタートから2時間)あたりで16.1km地点の第3エイド(登山口エイド)に到着。中間くらいの順位で到着しても関門まで残り1時間・・・やはりこのレースの関門は厳しい。ジェルが苦手なのですが、何年かぶりに何本も投入してペースを保つ必要があるほど、精神的にも追われました。このエイドでは水とキュウリを補給。

5kmごとに設置されたエイドの内容は充分
5kmごとに設置されたエイドの内容は充分


~折り返し地点(18.8km・鉢盛山山頂)
やっとというか、すでに疲れきった状態で本題の鉢盛山登山が始まりました。思っていたより過酷な急登で驚きつつ、引き続きストックワークでペースを上げました。


林道で脚を使い果たした多数の選手が、この急登で脚を止めて苦しそうに休む姿も。この区間でトップ選手たちが山頂から折り返し、猛スピードで下ってきました。

トレイルにストックワークで挑む植田さん
トレイルにストックワークで挑む植田さん


折り返し地点ではスタッフに木でできた登頂証をいただきました。槍ヶ岳をはじめとする北アルプスの山々をを望める展望で、涼しくて心地のいい場所でしたが、関門時間の恐怖に絶えられず、すぐ下山を開始・・・!

北アルプスを一望できる絶景が待つ激坂下りへ!
北アルプスを一望できる絶景が待つ激坂下りへ!


快適な下り坂は極上トレイル!

~第4エイド(21.7km地点・登山口)
疲労困憊で山頂にたどり着いたものの、下りになると思いのほか走れました。通常のトレイルランレースのように上り下りを繰り返すコースではないので、使っていなかった下りの筋力が残っていたためだと思われます。

この登山道は上りの時はツラくて気づかなかったが、かなりのフカフカ極上トレイル。テンションが上がり、ハイペースで下りました。

大きな高低差を駆け下りる
大きな高低差を駆け下りる


この下りで20人弱をパスして再び登山口エイドに戻ってきました。用意していた給水にくわえて沢からくんできた水が補充されており、冷たくて生き返りました。これから先、給食もないとのことなので、ふだんは苦手なバナナを頑張って1本食べました(笑)。

視界も開け、極上のトレイルを気持ちよく進む
視界も開け、極上のトレイルを気持ちよく進む


疲労はピークに。冷凍ハイドレーション、散水に救われる

~第5エイド(26.0km地点・林道九十九折れ前)
照りつける太陽に体力を奪われながら何も考えず淡々と走ります。このあたりまでハイドレーションが凍っていてくれたことに本当に助けられました。


~第6エイド(33.6km地点・緑のコロシアム)
途中、沢からホースを引いて水を出してくれている場所があり、全身ずぶ濡れにして体を冷やしました。このままいけば5時間半で走れる!と思うも、気温も上がっていたためか体温が下がらず、ボーっとしていました。
ロードに出て最終エイドに着いたときには、頭もクラクラ・・・今思えば熱中症になりかけていたのかもしれません。身の危険を感じ、タイムを狙うのはいさぎよくやめ、残り5kmを歩き通すことに決めました。

復路の林道にも容赦なく陽射しが照りつける
復路の林道にも容赦なく陽射しが照りつける

全身ずぶ濡れになって生気を取り戻す

全身ずぶ濡れになって生気を取り戻す

沿道からの温かな声援がゴールへの力に

沿道からの温かな声援がゴールへの力に


沿道や仲間の応援に背を押され、笑顔でフィニッシュ!

~フィニッシュ(38.3km地点・朝日村役場)
走れない状態で距離が長いのは心情的にもつらかったものの、最後の5kmは住民の皆さんの応援や散水などが1kmごとくらいにあり、身も心も救われながら、感謝しつつひたすら歩きました。
6時間半もかかってしまいましたが、無事帰ってこられて良かったと思います。

おばあちゃんも旗を持って応援!

おばあちゃんも旗を持って応援!

ついにゴールテープを切った!

ついにゴールテープを切った!

フィニッシュ後は参加者全員がサラダやミネストローネ等の食事をすることができました。

第1回大会ということで色々と手探り状態だったこともあると思われますが、大会の雰囲気・地域の雰囲気も大変よく、各関係者・スタッフ・ボランティアの皆さんの笑顔と迅速な動きにとても好感が持て、楽しめました。

地産野菜の美味しさが身体に染み渡る
地産野菜の美味しさが身体に染み渡る



■この大会に興味をもった方へのアドバイス

・トレイルランニングが得意な人は登山区間で、マラソンが得意な人はロードや林道区間で勝負できるので、得意分野を活かせるコースだと思います。

・関門時間がマラソン大会並みに厳しいので、次回も同じ場合は、ビギナーの方ならフルマラソンをサブ4.5で完走できる程度の走力が必要かと思われます。

・中上級者は自分のパフォーマンスに合わせて補給や給水のバランスを考えながらフィニッシュタイムを縮める作戦を立てると良いでしょう。

・装備に関しては、今回の上位選手では、ウエストベルトにボトルとジェルのみの装備で、エイドで給水しながら走った選手もいれば、6L以下の小さなトレランザックに補給食とハイドレーションを背負い、エイドではあまり補給せず走った選手も。また、自分のようにストックを使用した選手は数えるほどしかいませんでした。


植田 賢一さん

愛知県名古屋市在住、44歳。トレイル歴4年。
小中学生時代は陸上部で短距離選手だったが、高校から41歳まで運動とは無縁の期間を経て、友人の影響を受けて山を走り始める。
「新城トレイル」「ハセツネ」などの本格的なレースだけにこだわらず、「美ヶ原ロングトレイルツアー」などの楽しむトレイルランニングや「富士山頂往復マラニック」などの100kmを超える冒険的なマラニック、「松本24時間ロゲイニング」「OMM JAPAN」などのナビゲーションイベントなどに参加している。