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RUNNET TRAIL コラム

トレラン・レースリポート

  • OMM JAPAN

開催日:11月29日(土)~30日(日)
開催場所:静岡県東伊豆町

ふたり一組で2日間にわたって走り回る!
コースも距離も決まってないレースがあるんです

ふたり一組でチームを組み、夜は野営して2日間にわたって山の中を走りまわる。
キャンプ道具や食料、水を背負いながら、地図をたよりに自分たちでルートを決めて進む。
そんなハードでユニークなレースが開催されました!
これはOMM(オリジナルマウンテンマラソン)という1965年にイギリスに誕生した大会で、日本で開催されるのは今回が初めて。山を走る速さだけでなく、地図を読む力や、コースどりを判断する力など、山の総合力が試されるこの競技に出場しましたのでレポートします。


初日は朝から雨。ガスっていてスタート地点からはまわりの山々の見晴らしがきかない…
初日は朝から雨。ガスっていてスタート地点からは
まわりの山々の見晴らしがきかない…

スタート直前に渡される地図で作戦を立てる!

スタート会場は、静岡県の東伊豆町 細野高原駐車場。
事前に分かっているのはこれだけです。
スタートの10分ほど前に、コントロール(いわゆるチェックポイント)が描かれた地図を渡されます。コントロールは難易度によって得点が決まっており、それらを発見し、パンチ(いわゆるチェックイン)するごとに得点が付与されます。
今回私は「スコア」という種目に出場しましたが、この種目は、数あるコントロールのうちどこをどういう順番で回るかは自由。なるべく多くの得点を稼いで、制限時間内にゴール地点に到着することが目的です。

まずは渡された地図とにらめっこで、相棒とコースどりについて作戦を立てます。
いかに効率的に、かつ自分たちの力量でも到達できるコントロールを回れるか。地図をみて「これは自分には行けそうもない、行けるにしてもかなり時間をロスしそう」といった判断も重要です。そして同じコントロールを目指すにしても、崖や道なき道をやぶこぎして、なるべく最短距離でいくという方法もあれば、そういうハードなところを避けて、迂回してでもラクなルートを走ったほうが速い場合もあり、自分たちの体力とコース状況とを考えながらコースどりを決める必要があります。そのあたりが難しさであり、楽しさでもあります。

スタート直前に地図を渡されるや、チームごとに作戦会議が始まる! 「まずはどのCPを目指す?」
スタート直前に地図を渡されるや、チームごとに作戦会議
が始まる! 「まずはどのCPを目指す?」


「スコア」の部は一斉スタート! 長い2日間にわたるレースの始まりだ

「スコア」の部は一斉スタート! 長い2日間にわたるレースの始まりだ

マップとコンパスでルートを確認しながら走る! このために事前に大会が開催した地図読みの講習会に参加したのだ!

マップとコンパスでルートを確認しながら走る! このために事前に大会が開催した地図読みの講習会に参加したのだ!


これがコントロール。これを地図をたよりに見つけながら走る
これがコントロール。これを地図をたよりに見つけながら
走る

ドシャ降りの中、重い荷物を持ってひたすら走る…

初日は朝から雨で、途中豪雨といっていいくらいの激しい降りになりましたが、ランニング大会では「あいにくの~」と言われるこの天候、OMMでは「最高のコンディション」と見なされるようです?
山では思わぬ悪天候に出くわしてしまうこともあり、そんな状況でもしっかりと対応できるかどうか。山の総合力を問うという意味では、悪天候もOMMらしいということなのかもしれません。
そんな中、地図読み経験の浅い私たちは、「遠回りしてでも走ろう」作戦で、途中休憩なくひたすら走り回りました。

夜の野営、緊急避難時のビバークに備え、テントなど指定された荷物を持って走るのがこの競技のルールです。行動食だけでなく、キャンプ地で必要な食料、加えて1日分の予備食料を持つ必要があり、かつ記録よりも夜の宴会を重視していた私は、10kgを超える大荷物を背負うことになってしまいました(笑)。
それでも、初日は「ひたすら走る」作戦がうまくいき、順調にコントロールを見つけてポイントを稼ぎ、15時の制限時間には無事ゴール地点へ到着できました。たぶん走行距離で見れば、スコアの中ではかなり走った方だったと思います。

同じ方向を目指して皆が走るわけではなく、コースどりはチームによって様々。だから、こんなふうにポツンと離れてしまうこともあれば、突然コース上でほかの参加者に出くわすこともある
コースどりはチームによって様々。
だから、こんなふうにポツンと離れてしまうことも


土砂降りになって、シューズが泥にとられて脱げてしまうこともあったけど、天候は徐々に回復して視界が広がりよい景色が見えてきた

土砂降りになって、シューズが泥にとられて脱げてしまう
こともあったけど、天候は徐々に回復して視界が広がり
よい景色が見えてきた

初日のゴール地点に着いたときには雨も上がった。キャンプの準備のためにも雨があがって助かった

初日のゴール地点に着いたときには雨も上がった。
キャンプの準備のためにも雨があがって助かった


初日の野営はゴール地点の野球場。それぞれテントを立てて…
初日の野営はゴール地点の野球場。それぞれテントを
立てて…

夜は野営で反省会という酒盛りを楽しむ!

夜はキャンプ地で楽しい宴会。ここでは「あのとき、こっちのルートをとるべきだったのでは?」「もうひとつコントロールまわれたのでは?」といった後悔ネタで大いに盛り上がりました。宴会を主目的としていた人達も多く、中にはステーキを焼いたり、ビーフストロガノフを作る猛者も現れたり!
「スコア」はゴール後の時間的余裕も多く、こんな酒盛りも楽しめるのですが、もうひとつの種目「ストレート」(コントロールを指定どおりに回ってタイムを競う種目)はかなりハードだったようで、夜は疲れきり、体力回復に徹している人も多かったようです。

翌日はテントや装備をまとめて、また2日目の地図を渡されてスタート。私たちは前日の成功体験に味を占め、「迂回しても、とにかく走る」作戦を取りました。たくさん走ると充実感も一杯で、競技中は「いい調子だ!」と思っていたのですが……結果は期待に反して惨敗。後から他の人の話を聞くにつけ、どうやらコースどりを根本的に間違えてしまっていたようです。言われてあらためて地図を見てみれば納得。なんでこんな遠回りルートを走ったのかなぁ? あそこであのコントロールに進んでいれば……。
なんて、そんな「たら、れば」は、後を絶ちません。制限時間を過ぎると減点されるため、諦めたあのコントロール。もう少し粘っていたら取れたかも、なんて思ったり。
でもそんな思いが、「次こそは!」という気持ちにつながる、この競技の醍醐味といえるのかもしれません。
うん、次こそは、もっと地図読み頑張って後悔しない走りにするぞ!(もちろん宴会も!)
(リポート:RUNNETスタッフ・K)

楽しい宴会が早速始まる! 「あのときこうすれば……」という後悔ネタで話が盛り上がる
楽しい宴会が早速始まる!「あのときこうすれば……」
という後悔ネタで話が盛り上がる

2日目は一転快晴で気持ちのよい天候に! 初日同様の「走る作戦」でがんばるぞ!

2日目は一転快晴で気持ちのよい天候に!
初日同様の「走る作戦」でがんばるぞ!

素晴らしい見晴らし!

素晴らしい見晴らし!

樹林帯を抜ける! 走りやすいルートをどんどん走りに走ったが……、2日目は大きな迂回ルートで、なかなかコントロールに到達できない

樹林帯を抜ける! 走りやすいルートをどんどん走りに
走ったが…… 2日目は大きな迂回ルートで、なかなか
コントロールに到達できない

最後は、残り10分でもうひとつCPにチャレンジするか悩んだのだが…、安全を期して早めにゴール! このレースの難しさを実感

最後は、残り10分でもうひとつCPにチャレンジするか
悩んだのだが…、安全を期して早めにゴール!
このレースの難しさを実感