RUNNET TRAIL コラム
トレラン・レースリポート
- 第5回イセエビCUP おんじゅくオーシャントレイル10マイルレース
開催日:2017年2月5日(日)
開催地:千葉県(夷隅郡)
距離:10マイル(約16km)*ほかに5kmの部もあり
完走者/出走者:374人/379人(完走率98.7%)
冬でも温暖な房総の砂浜&海辺のトレイルを走る!
「月の砂漠」の砂浜ランは、きつさも景色もいちばん!
リポート/橋本 貴志さん
温暖な千葉県房総半島、御宿で行われるトレイル大会に出場してきました。
自宅のある市原市から御宿海岸までは、車で1時間半。
天気予報では雨天が予測された当日も朝は太陽が顔を出してくれて、海がとてもきれい!
冬はトレイルランニングのオフシーズン。その中で2月に大会に出られるのは幸せです。
会場の御宿ウォーターパーク前では、スタッフのほか、小さなお子さんも一所懸命に手伝ってくれて、スムーズに受付が行なわれていました。
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まずは海を見ながらウォーミングアップ(贅沢!)ほどなくして始まった開会式で、「この人どこかで見たことある……」と思ったら、鏑木毅選手でした! レース後の交流会と10マイルレースにゲストランナーとして参加されるとのこと。開会式ではストレッチを一緒に行いました。(鏑木選手は前日50kmのトレーニングをされたそう。驚きです)
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【スタート~砂浜ビーチ(往路)】
童謡「月の砂漠」のモデルとなった砂浜
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この大会のハイライトは何といっても砂浜を走ること。御宿中央海岸ステージ前をスタートし、約2kmこの砂浜を走ります。まさにテレビで見た「砂漠マラソン」を走っているよう!
童謡の「月の砂漠」のモデルになったのがこの御宿海岸。それを記念する「月の砂漠像」を左手にみて進みます。この砂浜を走ると足元が埋まったり滑ったりと、足の置き方を考慮しないとなかなか前に進まないのでつらい! つらいけれど、このレース中で最も美しい景観を楽しめる所でもあります。
【旧サンドスキー場(往路)~メキシコ記念塔~岩和田林道】
スピードの出せる気持ちのよいトレイル
ビーチから一般道に上がると「足が軽い!」。しばらくロードを進みます。すると次第に上りとなり、旧サンドスキー場からトレイルに入っていきます。アップダウンは大きくはありませんが、スピードが出せるので気持ちのよいシングルトラックです。やや長めのなだらかな階段を上るとメキシコ記念塔に達します。
このメキシコ記念塔は、日本とスペイン、メキシコの三国の交通が始まったことを記念して建てられたもので、このあたりのランドマークにもなる塔です。
1609年、メキシコに向かって航海中のスペイン船籍「サン・フランシスコ号」が、この御宿沖で嵐にあって座礁。その乗組員を地元岩和田の村民が救助し、翌年、無事メキシコへ帰国することができた、という史実から、友好の証として建造されたそうです。
メキシコ記念塔からロードを下るといったん浜に出て、その後、「よくこのトレイルを見つけたなー」と思えるコースが。笹のトンネルを抜けたり、急坂を上ったりして進んで行きます。この区間のトレイルもアップダウンはそれほど大きくなく、とても気持ちよく走れます。
一転山の中に入るトレイル。急な上りもあれば…… |
笹のトンネルも! コースの変化が楽しい |
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【岩和田林道~メキシコ記念塔(2周目)~砂浜ビーチ】
丸木橋を渡り、漁港を抜け、最後のビーチランできつさMAX
林道を抜けて、いくつかのトレイルを進むと川にかかった丸太橋を進みます。この丸太、ちょうど学校の体育でやったことのある、平均台のような太さで、慎重に慎重に進みます。これもトレイルランニングの醍醐味。そしてここから周回路となり旧サンドスキー場を来た方向と逆に進み、再度メキシコ記念塔を目指します。(2周目の階段はキツい!)
メキシコ記念塔からロードを下り、漁港内を走ります。この時点で砂浜ビーチが見え、遠方にゴールも見えてきます。
「あと少し…」。
ところが砂浜に入った瞬間の足の重さといったら!!
往路はスタート直後でまだ余裕がありましたが、最後に砂浜を走るのは、こんなに厳しいとは思いませんでした。一歩一歩砂と自分との戦いです。
「歩きたい…」そして遂にゴール!
最後の達成感は走った人にしか味わえないかもしれません。
丸太の橋を渡る箇所も。ちょっとスリリングで楽しい |
こんなトンネルも抜けて… |
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途中で抜いた選手に、最後の最後、砂浜で抜かれてしまいました。ゴール後に、その方と話をすると、「見えたから追いかけた」とのこと。他のレースもそうですが、レース中競りあった選手と仲良くなることが多いですね。
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この大会、山岳レースではないけれど、これもいいトレイルランニングだなーと感じられたレースでした。途中スタッフの方や集落の方から「頑張れ」の声援を受け、とても感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。
トレイルランニングが初めてという方も参加しやすい大会ですので来年参加される方はお勧めの大会です。
- リポート/橋本貴志さん(34歳)
千葉県在住。8年前からトレイルランニングを始め、家族と一緒に旅行とトレイルランニングを併せて楽しむのがモットー。15~20kmのショートレースを主に出場。自宅近くのロードや、ちょっとしたトレイルのある自然公園を中心にトレーニング。
「今後はさらに上位を目指していきたいです!」
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