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RUNNET TRAIL コラム

山を歩くことで、フルマラソン終盤の粘りが手に入る

  • 第4回:
  • 山を歩くことで、フルマラソン終盤の粘りが手に入る

久保 健二 さん

普段とは違う動きをすることで小さな筋肉を刺激する

 山には厳しい上りや、危険な下りがあります。そのため歩かなければならない場面も多々あります。しかし走っていないからといって意味がないわけではありません。歩くことで鍛えられる要素もあるのです。
 実業団チームで走っていた頃、よく山を歩いていました。目的は故障予防と筋力強化です。平地を大きなフォームで走るときは、大きな筋肉を使っています。インナーマッスルはなかなか鍛えることができません。ここが使えるようになると、着地が安定するため身体がぶれなくなり、故障が減ります。そしてフルマラソン終盤の粘りにもつながります。山を歩き、普段とは違う動きをすることで、使えていなかった小さな筋肉を刺激し、鍛えることができるのです。
 なかでも一番重要な筋肉は、ひざ上にある内側広筋です。ここを鍛えるには、山下りの際、自分の体重を一歩ずつ真っすぐ母子球に乗せて、地面を指で掴み、踏みしめるように意識して歩かなければなりません。慣れない筋肉を使うため、下りきった時は脚の筋肉がガクガク震えていました。
 ある程度筋肉がついてきたら、徐々にランも織り交ぜていきます。最初は全て歩き、次に上りと下りを歩いて平地は走る。最後は全てのルートを走破します。
 あえて、歩き→ラン→歩き、というやり方もおすすめです。最初の歩きで使う筋肉を確認。次に1度走ることでフォームをバラバラにし、最後にまた歩くことで身体の使い方を確認します。このように山でベースを鍛え、マラソン練習をするとより効果的です。

久保さんが現役時代によく登っていた福岡県の油山(標高597m)。歩いていても心拍数は140近く(当時でキロ3分30秒ペース相当)まで追い込めたという

久保さんが現役時代によく登っていた福岡県の油山(標高597m)。歩いていても心拍数は140近く(当時でキロ3分30秒ペース相当)まで追い込めたという

久保 健二

久保 健二(くぼ・けんじ)


拓殖大学で箱根駅伝を走り、その後日産自動車で2009年まで競技を続ける。現在はランニングデポ、アミノバリューランニングクラブin神奈川、ジョグスパなどで市民ランナーを指導している。現役時代から山やビーチなどの自然をトレーニングフィールドとして活用していた。1975年生まれ
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