フルマラソンに効くトレイルラン
  • 第7回:
  • 「鍛える」ためのホームコースを作ろう
    山本 正彦先生
山本先生の「ホームコース」は東京工芸大学裏のハイキングコース。標高は高くないが、見晴らしが良いポイントもある

山本先生の「ホームコース」は東京工芸大学裏のハイキングコース。標高は高くないが、見晴らしが良いポイントもある

1~2時間で走りきれる自宅近くのコース

 普段、ロードでのランニングを中心に取り組んでいるランナーにとって、コース案内などのスタッフがいるトレイルレースならともかく、トレーニングとして見知らぬ山に入るのは勇気がいるものです。ましてや、1人で向かうとなるとなおさらでしょう。
 そこで、まずはトレイルランに慣れるためにも、ホームコースを作ることをおすすめします。ポイントは、気軽に行けるように、自宅からなるべく近い場所とすること。そして、コース全体を熟知しておくこと。
 コースのすべての区間が不整地である必要はなく、舗装路をしばらく走ってからトレイルの入り口に到着するような場所でも全く問題ありません。もし、思い浮かぶ場所がないという場合は、ハイキングガイドなどを参考にコースを探し、まずは実際に歩いてみてコースをチェックしてみるといいでしょう。
 コースの長さは全行程を通じて1~2時間ほどで戻ってこられる場所で十分です。

慣れてきたら鍛える走りをイメージする

 ホームコースを作ると、トレイルランでの技術的なテクニックを身につけることだけでなく、トレーニングの質を上げ、思い切った走りができるメリットがあります。というのも、初めて走るコースでは、「この先にどんな起伏が待ち構えているのか分からない」「ゴール地点まであとどれぐらい走れば良いのか分からない」といった不安から、どうしても慎重な走りをせざるを得ません。
 一方、ホームコースを作っておくことで、「この上り坂を越すと、あとは下りしかないから、思い切り心拍数を高めて駆け上がってみよう」「全体的ペースを上げて、前回のタイムを5分短縮してみよう」といった、ロードでの走力アップにもつなげやすく、より追い込んだ走りができるようになるのです。
 ホームコースを作ることで、トレイルでのトレーニング頻度が上がってくると、次第にトレイルを走るテクニックも身につき、トレイルランに対する抵抗がなくなってきます。こうなると、週末たっぷり時間がとれる時などは、それほどの勇気を必要とせずに、ホームコース以外のトレイルにも行きたくなるものです。そのためにも、まずは慣れる、鍛えるためのホームコースを作るのが大事なポイントなのです。

強化につながるホームコース選びのポイント

1.自宅から近く、気軽に行ける
2.行程の目安は1~2時間
3.路面はトレイルだけにこだわらない。舗装路や砂利道を選んでも良しとする
4.直射日光の当たらない木陰が多い
5.走れる区間が多い
6.アップダウンを繰り返す尾根沿い

※優先順位の高い順


山本 正彦
山本 正彦(やまもと・まさひこ)
東京工芸大学助教。専門は運動生理学、コーチ学。走る仲間と立ち上げたランニングクラブ「ランニング・デポ」では、練習会やレースを通して多くのランナーと交流を深めている。忙しい傍ら、時間を見つけ、大学の裏のトレイルコースを走るのが楽しみ。『月刊ランナーズ』にてトレーニング指導でもお馴染み

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