フルマラソンに効くトレイルラン
  • 第5回:
  • 4つの+αが見込めるトレイル3時間走
    中田崇志さん
高尾山の階段を走る中田さん。トレイルでは腕をしっかり振って、上半身から推進力を得ることも大切だ

高尾山の階段を走る中田さん。トレイルでは腕をしっかり振って、上半身から推進力を得ることも大切だ

走り込みシーズンこそトレイルへ

 走り込みというと、ロードで行う人がほとんどでしょうが、私はそれに+αの効果が見込める、トレイルを利用することをおすすめします。
 最も大きいのが、「走るリズム」を意識できることです。レース後半に疲労が溜まった状態でも、リズムよくピッチを刻むことで、失速を最小限に抑えることができる。すなわちレースで自分の力を最大限に発揮することができるのです。
 平坦なロードやトラックでの距離走で一定のリズムで走るのは簡単ですが、本番のレースでは上りもあれば下りもあります。リズムを保つのが難しい極端な上り下りのあるトレイルで、一定のリズムを保つように意識しながら走りましょう。
 「フォーム」を改善する上でも、トレイルは有効です。上りではハムストリングスなど、大きな筋肉を意識するとともに、腕振りをしっかり行いましょう。それにより脚だけでなく、上半身からも推進力を得られるようになります。
 また下りでは、ストライドが大きくなりすぎてしまいがちですが、そうなると脚への衝撃も大きくなってしまいます。一歩一歩のダメージが小さくなるように、細かく速いピッチを意識しながら走りましょう。山でこういった動きを理解することで、ロードの上り下りも、自然と良いフォームで走れるようになります。
 急な長い上り坂があれば、思い切ってスピードを上げて、「心拍数」を追い込んでみましょう。インターバル走のように、300m間隔でスピードを上げ下げすると、より効果的です。
 地面が柔らかいので、トレイルの走り込みは「故障のリスク」も抑えることができます。
 マラソン完走クラブでは、主に高尾山を利用しています。京王線高尾山口駅から一号路を通り、高尾山頂を経て、城山で折り返します。距離にして12㎞、3時間程度のトレーニングです。
 このように効率的に様々な要素を鍛えられるトレイルですが、慣れていないと、普段使わない筋肉にも負荷がかかるので、身体へのダメージは大きくなります。疲労が溜まった状態で行っては意味がありません。最初にこの走り込みを行った後は、2週間ほどトレイルを長く走るのは控えましょう。ただし3週間以上あけると筋力も戻ってしまいますので、注意。レース前の目安としては、3回ほど行えば、脚もできてくるはずです。

トレイルを走り込んで得られる4つの+α
1.リズムを意識できる
2.上りで心拍を追い込める
3.フォームが改善される
4.故障のリスクが低い


中田崇志
中田崇志(なかた・たかし)
学生時代は東京学芸大学陸上部に所属し、インカレなどで活躍。2006年に「マラソン完走クラブ」を立ち上げ、東京都内を中心に多くの市民ランナーを指導。『月刊ランナーズ』連載「中田式でワンランク上に仲間入り」のトレーニング指導でもお馴染みの、新進気鋭のランニングコーチ。フルマラソンのベストタイムは2時間27分50秒。デュアスロンの日本代表でもある。30歳

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