フルマラソンに効くトレイルラン
  • 第1回:
  • 日本マラソン界のホープはトレイルで脚を作る
    藤原新選手
独立した現在も高尾山などをよく走りに行く

独立した現在も高尾山などをよく走りに行く

トレイルへは筋肉痛を作りに行く

 トレイルランは主にフルマラソンに向けての走り込み前と、夏場に実施しています。高尾山や寮の近くにある自然豊かな公園に行きます。60~120分、ゆっくり走ったり、心肺機能に負荷をかけながら走ったりと、内容は様々ですが、主な目的の1つが着地衝撃に耐えられる筋肉を作ること。筋肉痛を作りに行くんです。
 この翌日の筋肉痛が、走り込み期間のハードな練習に耐えられる脚ができているか? の指標になっています。脚がしっかり作られていない時に山を頑張って走った翌日は、フルマラソンのレースを走った時以上の激痛です。しかし、何度か行うと痛みのレベルが低下していきます。そして、痛みがほとんど出なくなったら、走り込みに耐えられる強い脚になった証拠。練習の質を上げていきます。中国の昆明で合宿をする時は、週に2~3回のポイント練習以外、全て「西山」という山に走りに行くこともあります。日を追うごとに走った後の「脚のガクガク感」がなくなるので強くなっていることを実感できるんです。
 フォーム作りとしても活用しています。僕は、フルマラソンでバネを上手に使って走れば、最後までペーダスダウンしないと思っていますが、トレランで上手に使うことができれば、ロードでも上手に使えます。接地時間を短くするなどの意識を持ちながら走りますが、理想のフォームで走れていない時は、すぐに苦しくなるので、そのことにロードの時より早い段階で気付けるのも魅力ですね。
 あとは純粋に楽しいです! 足元なども気にしなければならないので、余計なことを一切考えなくなるのですが、走り終わった後の達成感や爽快感は、自分の身体に関することをたくさん考えた時のほうが大きいんです。走ることの楽しさの原点って、「身体を動かす、考える」ことだと思うので、本能的にそれを認識しているんだと思います。フォームなど色々な研究をしていますが、その際に必要な何かを見つけるヒントにもなっています。

※2010年5月号別冊付録の内容を転載しています


藤原 新
藤原 新(ふじわら・あらた)
長崎県立諫早高校から拓殖大学を経て、JR東日本。東京マラソン2008で日本人トップの2位(2時間8分40秒)。2009年世界陸上マラソン代表。2010年4月に独立し、プロランナーに。5月30日に行われたオタワマラソン(カナダ)でフルマラソンレース初優勝を飾った。28歳
写真/小野口健太
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