RUNNET TRAIL コラム
ラスト1週間&レース当日にできること
- 第3回:
- ラスト1週間&レース当日にできること
【レース1週間前~前日】
1週間前は試走も無理しない
本番まで1週間を切ったら、ハードなトレーニングは避けた方が良いでしょう。上り坂は平地よりも疲労の影響を受けてしまいます。試走も五合目から山頂まで行うのであれば、ゆっくり歩く程度に抑えてください。
しかし全く動かないと脚力が落ちてしまいます。7~5日前に平地で2時間くらいウォーキングを行っておくと良いでしょう。終わった直後は疲労感があると思いますが、筋疲労は残りません。その他の日は軽いジョギングでつなぎます。
トレーニングの量が減るので、体重増には注意。重力に逆らいながら走る富士登山では、体重増は平地のレースよりも大きなマイナスです。
また脱水予防として、3~4日前からペットボトルに、水かスポーツドリンクを薄めたものを入れて手元に置いておき、それを少しずつ、1日1.5ℓを目安に飲むようにしましょう。
前日は馬返しで調整
現地には前日入りが望ましいです。調整のジョギングやウォーキング、刺激入れもなるべく現地で行いたいですね。車で来る人なら、標高1450mの馬返し付近まで行って走っておき、場の雰囲気、気圧、酸素の薄さなども身体に覚えさせておきましょう。
スタート時間が早いので、できれば夜10時までにはベッドに入って、身体を休めておきましょう。
(指導/小西政弘 2008年8月号掲載)
⇒ この連載はランネットコミュニティ「トレランFAN
」のチーム「富士登山競走2010」と連動しています。市民ランナーたちから寄せられたトレーニングや試走の情報はこちらから。また大会後は完走した喜び、完走できなかった悔しさなど、今年のレースを走った感想コメントを募集しています。あなたの熱い想いをぜひぶつけてください!
【レース当日】
POINT1 |
|
POINT3
他のランナーと競わない
標高2000mを超えたあたりから、動脈を流れる酸素濃度が次第に下がりはじめます。そのため、後ろから追いついてきたランナーと競ったり、前のランナーを強引に抜いたりなど、一時的なペースアップでも、すぐに処理能力を上回る疲労物質がたまってしまいます。他のランナーのことは気にせず、リズムを一定に守ることが大切です。
POINT4
こまめにエネルギーを補給する
ぎりぎり完走を目指すランナーの場合、4時間以上にわたって運動を続けるのですから、途中のエネルギー補給は必須です。オフィシャルのエイドステーションを利用したり、走行の邪魔にならない程度に飲食物の携帯を工夫することが大切です。また、お金を携帯し、山小屋で購入する方法もあります。
POINT5
苦しくても止まらない
5合目以降は、ほとんどのランナーが、すでに歩きとなっているため、平地でのレースのように、苦しくなった時にペースダウンという選択肢はありません。しかし、ぎりぎり完走ペースのランナーの場合、立ち止まってしまうと、ゴールはいっこうに近づかないので、前に進むことが大切です。苦しいのは当たり前、腕を大きく振って、歩幅を狭くし、立ち止まらずに、ゴールを目指しましょう。
(指導/木村瑞生 2002年8月号掲載)