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夏場もしっかり走り込むために(PART3)~夏の走り込みを成功させる水分補給法は?~

Question
夏の水分補給
毎年秋のレースに向けて夏の走り込みを試みるも、暑さに弱く、途中でバテてうまくいきません。解決策はあるのでしょうか?


Answer
夏場も1時間以上のトレーニングを積むランナーは、水分と電解質だけではなく、アミノ酸(BCAA)補給も行いましょう


回答者:深野祐子(管理栄養士・ランニングコーチ)


トレーニング中、トレーニング後の身体に効く! 水分補給法

――Part1では「暑熱順化」の大切さについて、Part2は食生活などで走る前から実践できる暑さ対策について教えていただきました。トレーニングでもバテにくく、調子が良くなっている気がします!

深野先生(以下F):それはイイ感じですね! 前回は主にトレーニング前の水分補給についてお話ししましたが、夏場のトレーニングにおいては、トレーニング中、トレーニング後の水分補給の仕方にも、覚えておいていただきたいコツがあるんですよ。

――トレーニング「前」に摂取するのは安静時の体液と同じ浸透圧の『アイソトニック』飲料でしたよね! ということは、ランニング中は……。

F:そうです、ランニング中のような、より素早い水分補給が求められるときは、体液の浸透圧(約280mOsm/L)よりも低い浸透圧に設計されている『ハイポトニック』飲料のほうが、水分が早く体に吸収されるのでおすすめです。(※mOsm/L=浸透圧を表す単位)
量としては1時間で500~1000mlを目安に摂ると良いでしょう。一度に大量に飲むのではなく15~20分に1回程度、トレーニングの途中でこまめに摂るのが理想です。5~15℃に冷えたものなら、運動中の深部体温の上昇を抑え、無駄な発汗を抑えながら走ることに繋がりますよ。

――そうでした! バテ防止のためにも、冷たい温度であることが大切ですもんね! ところで、量は1時間で1000mlまでを目安にということですが、暑い日、公園の水道で水をひたすらゴクゴク飲んでお腹がタプタプになってしまうことがあります(汗)。そもそも、飲みたいだけ飲んではいけないのでしょうか……?

F:吸収には個人差がありますが、一度に吸収できる量には限りがあるんですよ! そうならないためには一度にたくさん飲むのではなく、“こまめな摂取”が大切です。
それから、発汗によって塩分も失われている状態で水だけを摂ると、少ない水分量でも血液中の浸透圧が元に戻ると“喉の渇き”がおさまってしまったり、せっかく摂った水分が尿として外に出され、浸透圧は回復しても脱水は回復しない状態に…

また、水だけをとりすぎて、血液中の浸透圧が低下し、低ナトリウム血症と言われる状態となると、軽症では無症状のこともありますが、頭痛や吐き気、嘔吐、さらに深刻になると命に関わるような危険な症状を引き起こすこともあります。(「水中毒」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんね)

――そうならないために、気を付けなければならないことは何でしょうか?

汗を大量にかくような状況下では、水と合わせて塩分も補給して、体内の塩分量も元に戻すことが必要です。食塩濃度にすると0.1~0.2%(ナトリウム濃度にすると100mlあたり40~80mg程度)が推奨されています。

さらに糖質が含まれることでナトリウムを体に取り込みやすく、水分補給を促します。糖質の濃度は約3~8%程度(100mlあたり約3~8g程度)が適切な濃度(※)とされます。(※『競技者のための暑熱対策ガイドブック』による)
ちなみに…市販のスポーツドリンクの多くはこの濃度に合わせて設計されているんですよ。1時間以上走るとき、また大量に汗をかくような場合は、水だけの補給ではなく、電解質や糖質も摂取できるスポーツドリンクを活用するようにしてください!

繰り返しになりますが、スポーツドリンクの中でも安静時の体液に近い浸透圧に設計されている『アイソトニック』飲料は運動前や運動後に。体液より低い浸透圧に設計されている『ハイポトニック』飲料を運動中に飲むように使い分けるようにするのがポイントです!

また、走り終わった後の失われた水分は体重の2%以内に収まっていることが望ましいです。一方で体重が増えてしまうほどの水分はとるべきではありません。※脱水率=(走る前の体重―走り終わった後の体重)/走る前の体重×100
気温や湿度などの環境、性別や体格などによっても必要な量は異なります。走る前後の体重からわかる脱水率や尿の色なども、水分補給の量が自分にあっているかのひとつの目安となります。

――なるほど、血液中で保たれているバランスをキープしながらの水分補給が大切なんですね……! すると、練習「後」にはどういった水分補給をすれば良いですか?

F:失われた水分と電解質を最優先でリカバリーすることが必要ですね。体重が減少した分を取り戻す程度の量、またはその2割程度多い量を目安に摂取するようにしてください。ここでもやはり糖質+電解質が補給できるのスポーツドリンクがおすすめですね。

――よし! トレーニング「前、中、後」の水分補給方法がわかりました。夏の走り込みで……目指すぞ、フルマラソンで自己ベスト!


じっくり練習したいランナーはアミノ酸も投入!

F:フルマラソンに向けたロング走など、夏場も1時間以上のトレーニングを積むランナーの方なら、戦略的に摂取していただきたいのがアミノ酸です。

――アミノ酸ですか。レースだけじゃなく、夏場の練習にも有効なのですね!

F:そうですね。夏場のトレーニングでは、レースに向けての体の基礎作り・走り込みといった目的で取り組む方も多いはず。暑い中でも集中して練習に取り組むためには “いかにパフォーマンスの高い状態で練習にのぞめるか”がポイントです。そこで重要なのが、水分補給はもちろんのこと、運動中にもできるだけカラダのコンディションを保つこと。
そしてトレーニング後はそれでも崩れてしまいがちなコンディションをできるだけ早めに整え直して、次のトレーニングにつながるようにしておくこと、です。

まず、運動する30分前のプレクーリングも兼ねた水分補給のタイミングで筋肉のタンパク質分解を抑えたり、運動中に不足してしまいがちなアミノ酸を摂って血中アミノ酸濃度を高めておきましょう。1時間以上のトレーニングをするなら、60分に1回を目安にサプリメントなどで補給を。アミノ酸入りのスポーツドリンクもあるので、あわせて摂取するのもおすすめです。コンディションを整えておくことでパフォーマンスが高まり、トレーニングの質も向上します。

さらにトレーニング直後には糖質と合わせて“必須アミノ酸”(「ロイシン高配合必須アミノ酸ミックス」がおすすめ!)を摂取することで、筋肉のタンパク質合成をより促し、筋肉の早めの修復や回復に役立ちます。スポーツドリンクや果汁100%ジュースを合わせて補給するとよいでしょう。

また、糖質とたんぱく質の摂取は筋肉のグリコーゲンや、筋肉のタンパク質の修復・回復を早めるのに役立つだけでなく、血流量を増やし、体温の調節機能が向上する、といった報告もあります。運動後に水分補給の一環として、身体が落ち着いてから、牛乳やヨーグルトドリンク等を摂取するのもよいでしょう。

――それはランナーにとっていちばん望むところですね! できるだけダメージなく、筋肉を維持したまま練習を終えたいです。

F:練習後はできるだけ早く体をリカバリーして、次のトレーニングに向けてコンディションを整えていくことは大切です!
自分自身が取り入れやすく継続できる方法で、日々の練習に取り入れてみてください!

それから運動後から次のトレーニングまでの食事も重要です。筋肉のタンパク質分解は、長時間・高強度のトレーニングはもちろん、食事でのエネルギー不足や、食事から摂れるたんぱく質不足によっても起こります。バランス良い3食と合わせて、エネルギー源となる糖質、たんぱく質(もちろん脂質、ビタミン、ミネラルも大切!)もしっかり摂取してください。

――これまでやみくもに走り出してはすぐバテていた夏とは違い、走る前から後まで水分補給で対策することができる。見える景色が変わってきそうです……!

F:暑い中での運動には常に危険が伴います。ぜひ、少しでも夏バテから遠ざかる水分補給テクを総動員して、トレーニングに取り組んでみてください。きっと秋の走力が変わってきますよ!

(おわり)

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