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35km以降で粘るには直前まで疲労感をキープ

2023年1月24日


「いままでしっかり走り込んだから、あとは休んで疲労を抜くだけ」と思っているあなた、ちょっと待ってください。
「休めばいい」は大間違いなんです。

レース当日まで「完全に疲労を抜いてはいけない」のがフルマラソンの調整の難しさなのです。
スタートから身体が軽く、「今日は絶好調!」と序盤を目標以上にペースアップし、後半大失速してしまうというのはしばしば聞かれる失敗例です。

勢いで押し切れるのはハーフの距離まで。
フルでは、やや脚の重いもどかしい感じでスタートし、20~25kmからようやく「なんだか調子が出てきた」というのが、絶好調で42kmをフィニッシュするための近道なのです。

感覚としては1000m×10本のインターバルなら、4~5本目あたりからようやく「調子が出てきた」。
20kmペース走であれば、10~15kmあたりから「ようやく動いてきた」、または脚が重いまま20km走り切り、終了後に「なんだかすっきり。ジョグならまだいけそう」という状態になることがあると思います。
こういった感覚がフルマラソンでは理想的なのです。

逆に「ジョグの走り始めから跳ねるように軽く走れてしまう」場合は、トレーニング量の落とし過ぎ。
30分程度のダウンジョグをプラスする、休養日に3~4時間のウォーキングで脚をわざと重くさせるなどで身体に「本番はまだだよ」と教え、調子が上向き過ぎてしまうのを抑えましょう。


●ラスト1カ月の疲労感と調子の理想的な相関図


1週間前までは疲労感も調子も横ばいで、2~3日前に両者の関係が一気に逆転しています。
ポイントは「どんよりと脚が重い感じ」をしつこくキープすること。
完全休養すれば疲労は抜けますが、「レース前に調子のピークがきてしまう」リスクとともに、マラソン後半に必要なスタミナや筋力まで落としてしまいます。
「疲労は身体を動かしながら抜く。でも抜き過ぎない」がフルマラソンの調整の基本です。


●ラスト1カ月のモデルケース

【~3週間前】 30km以上のペース走
深く疲労を残す「走力を鍛える」練習の最後のタイミング

【~2週間前】 ハーフ出場 or 20kmペース走
どんより脚が重い状態に負けないで「フルの目標レースペースで完走」が正解

【~1週間前】 10km刺激走(レースペース)
スタートから気持ちよく走れる状態はNG
「もう走るのをやめたい」を乗り越える

【2~3日前】 一気に練習量を落とす
これによって、レース当日に向け調子が急激に上がる(ただし完全休養はしない)

【レース当日】 35kmから粘れる脚に!
序盤は脚がやや重く、20~25kmから調子が出てくる。終盤苦しくてもペースを維持できる

※平日のつなぎ練習は、ジョグやウォークでなるべく身体を動かすことが重要。
週半ばに快調ラン(レースペース+15~30秒で5km程度)やジョグ後の流し(200m×4~5本)を行うと、身体のキレを維持できます。


※月刊ランナーズより抜粋




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2023年度の全日本マラソンランキングでは、サブフォーランナーは全完走者のうち27.4%にあたる8万6815人。ジョギングだけで達成してしまう人がいる一方、ロング走やスピード練習をして走り込んでいるのに、届かないランナーもいます。そんな「努力しているのにサブフォーができないランナー」がどうすれば4時間を切ることができるのかを、専門家やコーチの協力のもと解決します。

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フルマラソンを走るランナーであればほとんど誰もが聞いたことのある言葉であろう『30kmの壁』について、内科医でサブスリーランナーの北原拓也先生がYahoo!ニュースでそのメカニズムをまとめた記事を発表し、大きな反響がありました。それを受け、本誌では北原先生にさらに詳しく加筆をしていただいた記事を掲載します。

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2023年度全日本マラソンランキングの最高齢ランナーである北畑耕一さん(91歳)は伊藤忠商事を経て外資系日本法人の代表を歴任、退職後に74歳で走り始め、これまでにフルマラソンを32回完走。2024年は国内外で3つのフルマラソンを完走しました。
90歳を過ぎてもフルマラソンを走り続ける活力の源を探りに、編集部が北畑さんのある一日に密着しました。



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