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STAFFこぼれ話

丸の内に一夜限りのランコースが出現?

 8月30日(日)夜8時、北京では世界陸上の最終種目、マイルリレーの決勝がまもなく行われようとしていたころ、東京・丸の内では、突如現れた800mの特設コースで、市民ランナーたちが「最速のジブンと出会う」をテーマに1マイル(1.6km)のレースにチャレンジしていた。

 スポーツメーカーのナイキが企画し「TOKYO FASTEST MILE」と名打って行われたこのイベント。ランネットにも募集広告が掲載されたが、ユニークなのは、コース上に複数の仕掛けがあり、1マイルを走りきった総合タイムだけで競われるのではない点。

 まずは、スタートの合図からいかに素早く反応できたかが分かるリアクションタイムを計測。その後、400mと1100m地点では、20mほどの区間で、どれだけトップスピードを上げることができたかが分かる最高速度が計測され、この2つのタイムも表彰対象となる。

 つまり、出場ランナーは1マイルのレースを1本走るのだが、総合タイムも含めて3つの部門で表彰される可能性があり、最高速度計測地点で猛ダッシュしたり、神経を研ぎ澄ませてリアクションタイムにかけるなど、イーブンペースとは異なる戦略を立てる面白さがある。

 高級ブランドショップが並び、普段はショッピングを楽しむ人たちが楽しげな表情で行き来するストリートが、この日は緊張と興奮を隠すことができないランナーたちの熱気に包まれていた。

 レースに参加したのは約260名。抽選で選ばれた個人レースの部に参加の約80名、1人1マイルを4人1組でタスキリレーするチームレースの部に約100名、さらに予選を勝ち抜いた精鋭が出場するエリートレースの部に約80名という内訳。
 MCからの「用意はいいかぁ?」という呼びかけに「ウォー」という地鳴りのような声をあげて応える参加者たち。非日常の空間が広がる会場のテンションは終始高め。

 MCから名前がコールされたランナーは、特設のスタート台に上がり、20秒間隔で1人ずつスタートを切っていくので、観衆からの注目と声援も一手に受けて、いざスタート!

 当日は雨が降ったり止んだりという天候のため、路面が滑り、思うようにスピードが上がらなかったり、折り返しで転倒しそうになるランナーも。
 それでも、会場に設置された大型ビジョンには途中経過タイムと自分の目標タイムとの差がリアルタイムで映し出されるなど、ランナーを鼓舞する仕掛けが随所にあり、それに応えるべく顔をゆがませながら、トップスピードで駆け抜けるランナーが目の前を通り過ぎる!

 1マイルという距離は、心肺機能をほぼ限界まで追い込むことができるため、フィニッシュしたランナーの多くは、「ハァッ、ハァッ」と肩で息を切り、しばらく喋ることができない人が続出。
 エリートの部はサブスリーレベルのランナーが顔を揃え、1kmあたりに換算すると3分7秒ほどのペースに相当する、5分を切ってフィニッシュするランナーも多く、ハイレベルなレースが展開された。

 フルマラソンで2時間35分の自己ベストを持つ寺門俊介さん(写真右・29歳)は、
「MCに名前を呼んでもらい、テンションが上がってオーバーペースになってしまい、ラストがきつかったです。ジブンのタイムは満足していませんが、丸の内を走ることができて、楽しかったです!」
 普段から1000m×5本などのインターバルに取り組んでいるという小関泰広さん(写真左・31歳)は、
「路面が滑ったので予選よりタイムが落ちてしまったのは残念でしたが、なんとか5分は切れました!募集告知で見たプロモーション映像と同じ雰囲気の中を走ることが出来たのはいい思い出です」
と、全力を出し切った1マイルのレースに満足の2人。

 ランニングを日課としているランナーでも、短い距離を全力まで追い込んで走る機会は少ないもの。走歴が長くなると、短い距離のレースには出場しない、という声もよく聞きますが、この日のレースを見る限り、レースでの満足度は距離だけではなく、いつもは出せないスピードを出せたり、全力まで追い込んで走れたか?という物差しもありそう。

 まもなく本番を迎えるレースシーズン。これまで候補から除外していた5kmや10kmなど、距離の短いレースに出てみてはいかがでしょう? トレーニングでは出したことがないようなスピードで走れて、自分で自分にびっくり!なんて嬉しい発見があるかもしれません。


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