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RUNNET TRAIL

制覇できたら一人前のトレイルランナー

 首都圏に住むトレイルランナーは果報者だ。箱根という素晴らしい山に、新宿から1時間30分ほどで起点となる箱根湯本に到着できる。天下一の温泉地であり、宿泊施設はピンからキリまで、選ぶに困るくらいだ。そして今回の箱根外輪山一周。宿は元箱根、箱根町、関所跡周辺にしておきたい。なぜかって? 湯本をスタート地にすると金時山あたりまで、ほとんど上り、上っても上っても、まだ山がある、というふう。つらいのだ。
 だから逆、関所跡から湯本まで、時計回りに走る。また、そこに宿をとるのは、朝イチバンで走り出したいからでもある。外輪山一周、走り方にもよるけど、経験者でも6~7時間、初心者だったら8時間以上は想定しておいた方がいい、そのくらい長いのだ。水、食料もそのつもりで。
 さ、スタートは区切りよく箱根関所跡。国道を上って芦川入口から旧街道を進み、箱根峠で国道を渡ればいよいよトレイルだ。広い草原が海の平、すぐ横に芦ノ湖スカイラインの料金所がある。真夏だと背の高いヤブに囲まれてしまうが、トレイルそのものは走りやすい。雨の翌日は、濡れたヤブに注意、晴れていてもびしょ濡れになるからね。芦ノ湖展望台あたりでようやくヤブは少なくなり、展望も開けてくる。特にここは伊豆半島まで望めて素晴らしい。ここらで1/4かな。この先、起伏が大きくなりいよいよ箱根らしくなってくる、長尾峠あたりで目の前に霊峰富士が大きくその姿をあらわす、見事。乙女峠を越えたらいよいよ金時山、ここで1/2か。もうダメと思うなら無理せず、国道138号に下山してバスで湯本へ。
 金時山からはひたすら上り下りの繰り返し。明神ヶ岳、明星ヶ岳をやっつけて、塔ノ峰から阿弥陀寺へ下りよう。さあ、お疲れさん。湯本に着いたらゆっくり風呂に浸かりたい。

 連休中に仲間と泊まりがけで走りに行きたい箱根トレイル
連休中に仲間と泊まりがけで走りに行きたい箱根トレイル
 芦ノ湖スカイラインに沿ってトレイルは伸びる
芦ノ湖スカイラインに沿ってトレイルは伸びる
 コース中は見通しの良いところが多い
コース中は見通しの良いところが多い
コース

※マップのコースは手動で作成しております。多少の誤差はご容赦ください

内坂 庸夫

内坂 庸夫(うちさか・つねお)


雑誌『ターザン』でトレランの連載「Trail run king」「Trail run,ran,run」を担当。多くのトレイルコースをガイドしている。初フルマラソンは2007年東京マラソン、3時間46分。
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