STAFFこぼれ話

ごっくん!ひと口は何ml? 意外と知らない水分補給術

 夏場になると、水分補給の重要性について耳にする機会は多いと思いますが、ただ飲むのではなく、ちょっとした工夫をしながら給水することで、より快適なランニングが可能になります。そこで、ベテランランナーでも意外と知らない夏場のランニングを快適に行うための水分補給術についてまとめてみました。

1)公園の水飲み場で「ゴク、ゴク、ゴク」。さて何ml飲んだ?
 水分はほとんどが小腸から吸収されますが、小腸の1時間あたりの水分吸収能力は800ml前後と言われています(1分間あたりに換算すると約13ml)。この水分量には、口から摂取した水分だけでなく、体内で分泌された水分の再吸収なども含まれるので、ランニング前に摂取する量の目安としては、トレーニングの1時間前から500mlほどの水分をこまめに少しずつ摂取しておくのがおすすめ。ランニングに出かける直前にがぶ飲みするのではなく、こまめに摂取しておけば、走りはじめにお腹がポチャポチャすることもなく、快適に走ることが可能です。

 ちなみに、水分をゴクリとひと口飲んだとき、どのぐらいの量を飲んでいるか知っていますか? 個人差もありますが20ml前後がもっとも飲み込みやすい量だといわれており、口いっぱいに水を含んだ場合でも、1回に飲み込む量は20mlほどに調整しているそう。公園の水道から水を飲む場合など、どの程度の量を飲んだのか分かりにくいときのために覚えておくと役立ちます。

2)流行の経口補水液ってランナー向きなの?
 摂取する水分は汗と一緒に失われる電解質やエネルギー源となる糖質やアミノ酸などを含んだスポーツドリンクがおすすめ(塩熱サプリとミネラルウォーターという組み合わせもアリ)。最近はドラッグストアなどで購入できる経口補水液を利用するランナーも増えていますが、スポーツドリンクと比較すると、ナトリウムやカリウムなどの電解質を多く含んでいる一方で、糖質などのエネルギー量は少ないのが特徴です。

 元々は下痢や嘔吐などによる脱水症状からの回復時の使用を想定して商品化されたもので、脱水の「予防」のために作られたものではありません。現在、ネット上でも様々な情報が溢れており、脱水予防のためならばスポーツドリンクの方が良い、という意見もあれば、経口補水液をとった方が調子よく走れるというランナーの声があるのも事実です。

 普段の食事からどの程度の電解質をとっているのかなどにもよるので、こうした個人差が発生するのはある意味、当たり前のこと。スポーツドリンクであっても、銘柄によってナトリウムやカリウムなどの電解質の含有量には違いがあるので、味だけの好みではなく、この機会に飲み比べてみて、どちらを摂取したほうが調子よく走れるのか、試してみても良いかもしれません。

3)水分補給が上手くいったかどうかの判断は?
 自分の水分補給量が適正だったのか? というのはなかなか分からないもの。自分では普通に走れたつもりでも、実際は脱水症状の一歩手前、なんてこともあるからです。そこで、ひとつの目安となるのが排尿のタイミング。トレーニングを終えた後、水分を補給しつつ、30分以内に自然とトイレに行きたくなれば、ある程度、水分補給が上手にできたと判断可能です。
 この目安はレースでの水分補給にも活用可能。ゴール後、水分を補給しているにも関わらず、自宅に帰るまで1度もトイレに行かなかった!なんてことがあれば、脱水気味になっていた可能性があるのです。
 
いずれにしても、無事に走り終えたから問題なし!ではなく、走っている時間以外も自分の身体に関心を持つことは、ランナーとしてレベルアップしていく基本。この夏、体調を崩さずに走り続けるためにも、ぜひとも取り入れてみてください!
 

意外と知られていないといえば、皇居には複数のランナーが同時に使用できる水飲み場もある
意外と知られていないといえば、皇居には複数のランナーが同時に使用できる水飲み場もある