いつでも水を飲む習慣が生活のリフレッシュに

 私は、ランニングをはじめとするスポーツをする時だけでなく、日常的によく「水」を飲むほうで、日頃から新しい水が売られていれば飲んでみたり、いろいろな種類を飲み比べてみたりしています。

 その中で最近のお気に入りは、知人から勧められた「酸素プラス」。カナダで採取した天然水に通常の約10倍の酸素を溶かし込んだミネラルウォーターです。軟水だからすっきりしていてとても飲みやすいし、酸素のおかげか飲むと頭も身体もリフレッシュする気がして、家でも、仕事場でも、もちろん走るときもそばに置いています。

 でも、私の水の飲み方、水分補給の仕方って、「正しい方法」なのか─。改めて考えてみると、あまり自信がありません。「のどが渇いたと感じる前に、こまめに給水」という程度のことは心がけているけれど、「その理由は?」と聞かれても、はっきりとは答えられないし……。

 そこで今回、水や水分補給についてよく知る3人の方にインタビュー。お話を聞いてわかったことを、この誌面でレポートします。

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乾燥したスタジオでは
「水」も1つの仕事道具

撮影スタジオは、乾燥していることが多いので、撮影の合間や打ち合わせ中は、意識して「酸素プラス」でのどを潤しています。

自分に合った水を飲めば体調の改善にもつながる

 まずは、水の専門家であるアクアソムリエの山中亜希さん。「暮らしの中での水との付き合い方」についてアドバイスをいただきました。

 「人の身体の60%くらいは水ですから、そのとり方でやっぱり体調は変わります。例えば、普段コーヒーや紅茶ばかりという人が習慣的に毎日『水』を飲むようになると、多くの場合2、3週間ではっきりと体調が変化しますね。

 水の種類は、軟水でも硬水でも基本的に自分が飲みやすいものでOK。大事なのは、続けることです。橋本さんお気に入りの酸素が入った水は、口当たりが良くて海外でもポピュラーですよ」

 水は、地道に継続してとることが大事なんですね。

 続いてご登場いただくのは、内科医でスポーツドクターの岡野裕先生。なぜ、「のどが渇く前」の給水が大切なんでしょう。

 「のどが渇いたと自覚したときには、すでに軽い脱水状態なんです。人はだいたい体重の2、3%くらいの汗をかくと『のどが渇いた』と感じるんですが、もうちょっといって4%を超えると、重症の脱水症状に陥る危険性が高いとされています」

 なるほど、身体からのサインに気づいた時には、危険域の一歩手前。だから先手先手で水分補給をしておかなければならないんですね。

 「その通り。一方で人間の身体には、体内の水分量を一定に保とうとする機能が備わっていて、水を貯めておくことができません。だから“こまめに給水”といわれるのです」

 確かに走る前に必要な水分をまとめてとれれば楽だけど、そうはいかないんですね。

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1日7〜8回の水分補給

朝起きたとき、お風呂の前後、家事の後の休憩、ストレッチの後などが、私の給水タイム。それぞれで各コップ1杯程度の水を飲むのが理想のようです。

運動中は水分吸収力が低下だから先手先手の給水を

 そして最後は、運動生理学が専門の彦井浩孝先生。特にランナーが注意すべき点って何でしょう?

 「ひとつ知っておいてほしいのは、そもそも運動中は、身体が水分を吸収する力が落ちているということ。多くの血液が筋肉を動かすために使われるので、水を吸収する腸に回る量が減ってしまうんです」

 となるとやっぱり、トレーニングでもレースでも、かなり意識的に給水しないといけませんね。

 「運動の強度やその人の体格などにもよりますが、最低でも15分に1回はコップ1杯程度(200㎖)の水分をとってほしいですね。ただ、給水したら必ずそれに見合ったナトリウム補給も必要ですので、注意してください」

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酸素プラス 甘みのない
「酸素プラス」が
水分補給の基本

練習やレースの時、スポーツドリンクも飲みますが、基本は味や甘みのない「酸素プラス」。この夏は、「正しい給水」をしっかり身につけて、秋以降のシーズンにも活かしたいですね。

 3人の方のお話を聞いていると、普段何気なく飲んでいる「水」の大切さを改めて実感します。もちろん身体が水を求めるのは本能なので、あまり堅苦しく考える必要はないけれど、正しい知識や情報を持つことで、“水の価値”をもっと高められるのは間違いなさそうです。

 幸い私には、自分にぴったりの水もあることですし、この夏は「酸素プラス」を頼りにしっかり体力、走力に磨きをかけて、秋以降のフルマラソンでは3時間20分を目指したいと思っています。


山中亜希
●アクアソムリエ

生きていくのに
欠かせない
役割を担う「水」
イタリアにてアクアソムリエの資格を取得。ミネラルウォーター専門店「AQUA STORE&BAR CONCEPT」西麻布店の店長を務める。

水を飲み始めて体調が良くなった─。これは、私自身の経験でもあります。便秘がなくなり、肌の調子もいい、風邪も引きにくくなる、ということで正直驚きました。でも、水は体内で栄養やホルモンなどの運搬、老廃物の排泄、体温調節などの役割を担っているのですから、体調を整えるのは当然ともいえますね。理想的な1日の水分摂取量は、体重1㎏当たり35㎖、60㎏の人なら2ℓ程度になります。飲み慣れない人は、最初は少しずつ、徐々に増やしていけばいいでしょう。ノンカロリーでミネラルを補給できる「水」を上手に取ることは、健康な身体づくりの第1歩です。


岡野 裕
●内科医・スポーツドクター

ランニングの
前・中・後、
3つのタームで
給水を意識
日本内科学会認定総合内科専門医。日本体育協会スポーツドクター。自身もランナーで、フルマラソンの自己ベストは2時間58分。

「気温や湿度が高い環境で運動すると、大量に汗をかく」→「体内の水分が不足し、汗が出なくなる」→「体温調節の機能が低下する」。これが熱中症になる1つの流れです。予防のためには、「ランニング前・ランニング中・ランニング後、この3つのタームで明確に給水を意識する」ことを心がけてほしいですね。漠然と「走るときは水分補給」というのではなく、それぞれタームで脱水を起こさないようにする具体的な行動が必要です。また涼しい朝にランニングを楽しんでいる方も多いと思いますが、寝起きの身体は自分で感じる以上に乾いています。注意してください。


彦井浩孝
●運動生理学者

体重を比較して、
体内の水分量の増減
を知る
オレゴン州立大学大学院健康人間科学研究科博士課程修了 Ph.D.(博士)。アイアンマン・トライアスロン世界選手権に9回出場。

体内の水分量が十分なのか、不足気味なのか─。これを“実感”するのは、なかなか難しいでしょう。そこでお勧めなのが、ランニング前と後の体重を比較するという方法です。体重の増減は、ほぼ体内の水分量の増減ですから、減っているようであれば補給が必要です。一方増えているようであれば、低ナトリウム血症について注意が必要です。これは、水だけを取り過ぎると、血液中のナトリウム濃度が低下する症状。ランニング時には、水とともに適度にナトリウムも補給することが望ましいですね。自分に必要な水分量を、ある程度正確に把握してほしいと思います。