市民ランナーに根強く残る「走行距離神話」。とにかく長い距離(時間)を走ることが記録を伸ばす上で最重要と考えられている。
一方、十分に筋力がなかったり、正しい動きができていない状態で長い距離を走ることで怪我をしてしまい本命のレースでは思うような結果が出せなかったという話を聴くのもしばしば。
また、忙しい現代人にとって、長い距離を走る時間を確保すること自体が困難だという声も多い。
そこで、近年注目を集めているのが「ランニング以外のトレーニング」を取り入れていくことの重要性である。
ランナーとしてオリンピックに二度出場した実績を持つトップアスリートの大島めぐみ氏と、自身もエリートランナーとしてランニングをつづけながらもランニングコーチでありトレーナーでもある宮川浩太氏に聞いてみた。
2000年シドニー五輪女子5000mと2004年アテネ五輪女子10,000mの2度オリンピックに出場。2005年には世界陸上選手権では、女子マラソン代表として出場し、団体戦銀メダルを獲得。引退後の現在は、ランナーとしての経験と知識を活かし、企業や学校での講演活動やランニングクリニックの講師などを務めている。
私は高校生時代に陸上競技400mと800mの選手でした。毎日本練習の前に、筋力トレーニングと動きづくりのトレーニングをやっていました。パフォーマンスを高めるのに非常に有用だとは感じていたのですが、むしろ、これらランニング以外のトレーニングの効果を更に実感するようになったのは、フルマラソンに挑戦するようになってからでした。
フルマラソンのトレーニングはどうしても長い距離を走る練習が中心になります。同じ動作を繰り返すので、どうしても同じ箇所への負担が大きく、常に故障と隣合わせでした。走るのとは違う動きを取り入れ筋肉や腱に刺激を加えることで、明らかに故障の頻度が減り、大きな故障をすることもなくなりました。故障のリスクが軽減させる上で非常に有用だったと思っています。
また、若い時はきついトレーニングをしても、すぐに回復することができますが、加齢と共に回復は遅くなっていきます。「走る」だけのトレーニングではパフォーマンスを更に高めるには間に合わなくなっていきます。筋力トレーニングやアジリティトレーニングのようなランニング以外のトレーニングをうまく取り組むことにより、ランニングトレーニングとの相乗効果を期待することができます。
筑波大学在学中はスポーツ科学を学びながら、箱根駅伝を目指して本格的に競技に取り組む。大学卒業後、競技をつづけながらも、スポーツトレーナーとしての学びを深め、柔道整復師としてランナーのケアを生業としつつ、「e-Athletes」のコーチとして市民ランナーへのランニングアドバイスなども行っている。フルマラソンの自己記録は2°22'15"でシドニーマラソン4位、かすみがうらマラソンで2度の優勝経験をもつ。
ランニングは身体を前に進めるというとても単純なスポーツです。横方向への切り返しといった能力も必要とされないため、いわば前に進むことに特化したスポーツと言っても良いでしょう。では、ランニング動作において前に進む以外の動きは不要かといえば実はそうではありません。一見すると前に進むだけのような運動様式ですが、実際には地面の凹凸やカーブなどで身体を巧みにコントロールしていて、前方向以外への動きも必要です。
怪我で治療院に来るランナーを見ても、体の使い方が得意ではない方によく出会います。しかも無自覚であるケースがほとんどです。力が上手に抜けない、うまく地面に力を伝えられていないなど、体の使い方が怪我の原因になっているケースは少なくありません。パフォーマンスを上げるのはもちろん、怪我の予防という観点でも、横の切り返し動作などアジリティトレーニングが有用だと考えられます。
実際にどんなことに気をつけて、どんなトレーニングをしたら良いのかを
米国公認アスレチックトレーナー(CSCS)の資格をもち、トップアスリートのみならず、
パフォーマンスユニットEXILEのトレーナーをも務める吉田氏に聞いてみた。
株式会社PCP 代表取締役
全米公認ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
大学時には日本選手権の4×100mリレーで3位入賞。国民体育大会には陸上競技200mの埼玉県代表として出場。大学卒業後はトレーナーとして活動し、2002年にはアジア人で最初のアメリカアリゾナ州のアスリートパフォーマンス(現EXOS)で世界最先端の理論を経験。現在はプロアスリート指導に従事している。また、EXILEのフィジカルトレーナーなどアスリートだけではなくアーティストやモデルなどの指導も行なっている。
速く走るには当然筋力が必要です。市民ランナーの中には筋力のトレーニングが不十分な人が多いと感じます。また、一見必要がなさそうに思える横への動きや、切り返しの動作も、トレーニングに取り入れることによって怪我しにくくなるというエビデンス(科学的根拠)も発表されています。
また、誤った動きのままトレーニングを継続してもパフォーマンスの改善は難しくなります。本来のカラダの動きを取り戻しながら、競技に必要な運動能力を向上させることが重要です。
個人の筋力やフォームにより必要となるトレーニング方法は異なりますが、市民ランナーのどんな方にも気軽に取り組むことのできるトレーニングを5つ紹介します。
どこでもできる脚力の維持・強化
ランナーの推進力の基本は脚力です。脚力が不足することにより、ランニング時の体重を支えることができずフォームが崩れてしまう原因にもなります。しかし、平地でゆっくりランニングをするだけでは効率よく脚力を鍛えることができません。スクワットは手軽にランニングフォームの修正にもつながるトレーニングです。
ダイナミックな走りを作る脚力の強化
スクワットの負荷を上げるために、ウェイトを担ぐという方法がありますが、自重でもジャンプを組み合わせることにより、負荷と難易度をあげることができます。しっかりと体幹を安定させることにより、地面に伝えた力を逃さずに推進力に変える能力を向上させることができるトレーニングです。
地面反力を使う効率の良い走りの習得
ランニング時は自分の体重の数倍の負担が脚にかかります。その重さを関節を曲げて筋力で受け止めているとすぐに疲労してしまいます。地面に加えた力の反作用を地面反力と呼びますが、足首、膝、腰関節などを正しい姿勢でロックして(固めて)受け止めることにより、地面反力をうまく推進力に変えて効率の良いランができるようになります。
左右の切り返しを磨き故障を予防する
ランニングは前方方向に進むスポーツですが、筋肉や腱は複雑な動きをしています。一見、ランニングには無関係なように見える左右の動きを取り入れることにより、接地時の足底筋や下腿の筋肉への刺激が入り、足首周辺の強化をすることができます。ランナーの最も多い足関節や足部のけが予防につながります。
素早い動きと左右の切り返しが走りのリズムを変える
前後左右の動きを取り入れ、足に様々な刺激を加え、筋肉を動かしている神経系の開発を行います。ランニングではトップスピードでのピッチ(脚の回転)を出しにくいため、速い動きでうまく使えていない筋肉を目覚めさせることで、スピードの切り替えや加速への対応力があがります。また、けがの予防に効果的です。
自身の体重をゴールまで運ぶランニングという競技において
走るという動作をいかに高いレベルで継続するかが
問われるのは言うまでもない。
しかし、その高みへのアプローチはただ走るだけではなく、
ランニング以外のトレーニングもうまく取り入れることで、
ランナーの走りを劇的に変えるチャンスがあるかもしれない。
Reebok FAST FLEXWEAVE™
リーボック ファスト フレックスウィーブ
「8の字織り」構造でパフォーマンスを
支える新素材がシューズを変える
リーボックの最新イノベーション、
それがFLEXWEAVE™(フレックスウィーブ)です。
革新的な「8の字織り」の技術により、
パフォーマンスシューズに革命をもたらします。
靴のアッパーは近年、シームレス構造や一枚布構造が増えています。緻密に設計されたジャカードメッシュ、近年流行りのニットアッパーなどがそれにあたります。しかし、このアプローチの問題点は「アスリートのパフォーマンスに求められる様々なニーズに必ずしも対応できるわけではない」ということです。
例えばニットアッパーは、柔軟性・ストレッチ・快適さに優れている素晴らしいものですが、激しい動きが求められる運動ではサポート性が足りず、他の部材でアッパーを補強する必要があります。この問題の解決に挑戦し生み出されたのが「FLEXWEAVE™」なのです。
ニットに代表される「編み」は1種の繊維・1本の糸から成ります。よって、その1つの繊維の特徴しか持つことができません。それに対して、FLEXWEAVE™は「織り」の技術を採用しています。「織り」は縦糸と横糸から成り、構造的に編みより強く、異なる繊維を組み合わせることを可能とします。結果、異なる特性を併せ持った多機能な生地を作ることができます。
さらにFLEXWEAVE™ならではの革新的な「8の字織り」により、より多くの繊維を組み合わせたマルチパフォーマンスなアッパーを作ることが可能となりました。
そして、生み出されたのが「Reebok FAST FLEXWEAVE™」です。瞬発系の動きや横の動きなどにも対応するサポート力を売りとしながらも、軽さと耐久性と柔軟性を併せ持ち、ジムトレーニングもランニングにも使える、万能型ランニング&トレーニングシューズです。
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