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求める「走り心地」を
可視化する診断システム

ミズノ
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登場

 ミズノが2019年11月に公開した、WEBでできるシューズ診断システム
「COM-PATH FINDER(コンパス ファインダー)」。走るときの心地よさを感性工学(人間の主観的な感覚を論理的に分析し、客観的な物事に当てはめる学問)の観点で分析し、走り心地という心理面からシューズを提案するシステムだ。

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「弾む感じ」
「なめらかな感じ」
走りたい感覚から
シューズを提案する

「COM-PATH FINDER」はwebで
公開されている。いつでも簡単に数分で、
自分の好きな走り心地とそれに合った
シューズがわかる。

1走りたい感覚を
選ぶだけで

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 2択の設問を3問から5問回答するだけで、自分が求める走り心地と、おすすめのトレーニングシューズが選ばれるサイト。設問の選択肢は「抵抗なくスピードを感じながら走るのが好き」など感覚的な内容が並んでいる。「悩まず、直感的に答えてください」(MIZUNO シューズ開発責任者/竹下 豪さん)

2心地よい走り方と
ふさわしいシューズがわかる

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Floating:

柔らかくフカフカしたクッション感

ウエーブスカイ、
ウエーブスカイライズ

Grounding:

グラつかない安定感&素早い反発感

ウエーブインスパイア、
ウエーブシャドウ

Propulsive:

柔らかい踵のクッション感&大きな推進力を得られる反発感

ウエーブライダー

シューズ選びは
快適さがポイントです

大角重人コーチ(41歳)

 練習メニューや時期で、追い込む時とそうでない時を調整するように、シューズも変えることをすすめています。私の場合、速いペースで走る時は素早い反発力のウエーブデュエルですが、ゆっくり走る時はウエーブシャドウを主に使いますね。ウエーブシャドウは素早い反発を感じつつも、着地時のクッションやミズノウエーブプレートならではの安定性に安心感があり、気持ちよく走れます。ストレスを感じずに走ることがケガの防止につながり、継続的な練習ができることになります。

 シューズの選び方について相談を受けることもありますが、お店での試しばきをすすめています。同じレベルのランナーでも、骨格や筋力、柔軟性などによって、脚のダメージの受け方は変わるので、一人ひとりに合うシューズも異なります。足を入れた時のフィット感や少し歩いて快適かどうかチェックしましょう。試しばきで長時間走ることは難しいので、ここに紹介されているコンパスで自分の好む走り方を客観的に確認できるというのは良いですね。

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大角重人
おおすみ・しげと

プロランニングコーチ。
早稲田大学競走部時代に箱根駅伝
出走経験あり。滋賀県出身。

TeamR2メンバー
阿久津美和子さんが体験

「先入観で決めつけず

自分に合うシューズ
がわかります」

ミズノはシューズで
走り心地を追求する

阿久津美和子さん(以下、阿久津) 今回公開された「COM-PATH FINDER(コンパス ファインダー)」はシューズをはいた時の心地良さで診断するシステムです。どのような経緯で開発されたのでしょうか。

竹下豪さん(以下、竹下) ミズノ創業者・水野利八の言葉に「ええもん作んなはれや」という言葉があります。これは今でもミズノのモノづくりの指針となっていて、ランニングシューズなら走った時に「いいシューズ」と感じられる走り心地をミズノでは追求しています。ウエーブライダーで表現している「ライド感」もそのひとつ。ただ実際に購入するときはどうしても機能性や重量、デザインといった、具体的に比較できるものに目が行きがちです。自分にとって心地よい走りを提供するシューズはどれか、というのはわかりにくい。その走り心地を可視化したいと思い、感性工学の方法を参考に、2004年から研究を開始しました。

阿久津 私もシューズの相談を受けた時には、実際にはいて試すことをすすめますが、その感覚は人それぞれ。コンピュータで「心地よく走れる」を表現することは難しそうです。

竹下 「COM-PATH」の研究開発に直接つながる2016年秋からの3年間だけでも、500人超に対して様々なシューズの着用テストとその感覚の聞き取りを行いました。すると回答は3つのグループに集約されたのです。

阿久津 3グループなんですね。

竹下 クッション性を求めるグループと、踏み込んだ時に地面からの素早い反発を好むグループがあります。加えて、着地した時にクッション性を求めながらも蹴り出し時には推進力が欲しいというグループがありました。

阿久津 速いランナーは素早い反発を好み、初心者やゆっくり走りたいという人はクッション性のあるシューズを好むイメージがあります。

竹下 素早い反発があるシューズで走って気持ちよいと感じるには、それなりの脚力が必要です。とはいえ聞き取り調査の結果からみても、速い人=素早い反発があるシューズが心地よいというわけではありませんでした。身体の大きさや骨格、柔軟性は人それぞれ。一定層はクッション性やクッション+推進力を心地よいと感じているという結果が出ています。

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阿久津美和子
(あくつ・みわこ、左)

フルマラソンベストは3時間11分57秒
(2019北九州)。TeaR2メンバー。32歳

竹下 豪
(たけした・たけし、右)

ランニングシューズの商品開発責任者。
フルマラソンベスト3時間21分30秒
(2000年・つくばマラソン)

R2阿久津さんも診断。
心地よさを感じるシューズは

阿久津 初心者は機能重視、速いランナーは素早い反発重視、と先入観で決めつけないことが大切なのですね。せっかくなので私にも診断させてください。

竹下 人によってですが3~5問ですぐに終わります。ぜひ試してください。

阿久津 1問目が出ました。「①自分の力で前に進む走り心地が好き」と、「②楽な走り心地が好き」ですね。私は自分の力で進みたいです。2問目は「抵抗なくスピードを感じながら走るのが好き」、3問目は「跳ねて弾むような走り心地が好き」を選びました。あ、結果が出ました。私はGrounding、素早い反発のあるシューズが好みという結果です。イメージ通りでした。

竹下 阿久津さんは長く陸上を続けられているだけあって、自分の感覚とはくべきシューズが一致していますね。

阿久津 長い時間や距離をはかないと分からないシューズの心地よさについて、事前に知ることができるのは助かりますね。事前に自分に合うシューズのグループを知っておくことで、より良いシューズ選びもできそうです。ありがとうございました。

シューズ診断システムは
こちらから