フルマラソンのレースが毎週のように開催されていますね。気温が低いこの時期は記録を伸ばすチャンス。「自己ベスト更新!」と力を入れて秋シーズン以上に練習を重ねている方も多いと思います。
しっかり走り込むことは大切ですが、寒いこの季節だからこそ、風邪予防やこまめな水分補給など、日頃のコンディショニングと練習後のケアが重要になってきます。特に多くのランナーが本番の予行演習として意識する30km走など、身体に負荷のかかるポイント練習の前後はリカバー(補給)を意識することが、フルマラソン本番での快走につながります。

監修/千葉真子さん

世界陸上において、異なる種目で複数のメダルを獲得した唯一の日本人(1997年アテネは10000mで銅、2003年パリはマラソンで銅)。フルマラソンベストの2時間21分45秒は日本歴代5位(2003年大阪国際女子)。現在はスポーツコメンテーターとして活躍する他、「千葉真子BEST SMILE ランニングクラブ」を立ち上げ、市民ランナーの指導や普及活動も積極的に行っている。

千葉真子さん

レース2カ月前まで

「42.195kmを乗り切る脚づくり」と「練習後30分以内のアミノ酸補給」

レース2ヶ月前までimage

この時期のトレーニング

ランニングのときの着地衝撃は「体重の3倍以上」と言われ、体重60kgの人であれば、一歩踏み出すごとに180kgの負荷がかかります。仮に歩幅を1mだとすると、フルマラソンなら約4万2千回の着地=約7,560tもの負荷がかかる計算になります。フルマラソンに向けたトレーニングでは、その衝撃に耐えうる「脚」をいかに作るかがこの時期のポイントとなってきます。

とはいえ、急に20km、30kmと距離を延ばすのは故障するリスクがあるので、徐々に距離を延ばしていくよう心がけましょう。目標はレース3~4週間前の予行演習(30km走)の1カ月前までに「20kmを一定のペースで走れる状態」であること。週末がお休みの方は土日のどちらかで、前週から10%増を目安に最長距離を延ばしていくと安心です(3週間で最長距離を1.5倍に)。

この時期の補給術

一方、練習距離を長くすれば、必然的に身体への負荷も高くなり、それに伴うリスクも発生します。例えば、冬は乾燥するために風邪もひきやすくなります。マスクをつけるなどちょっとしたことで構わないので、普段から気を付けてください。コンディションが回復しきる前に強度の高いトレーニングをしてしまうと、ただでさえ落ちているコンディションが更に低下してしまい、効果的な練習ができません。私もマラソンを始めてしばらくは、トレーニングの負荷と回復のバランスがとれず、なんと6回も疲労骨折を繰り返していました。

私がおすすめするコンディショニングは、週末練習(少し負荷の高い練習)の後、30分以内に筋肉の材料となるアミノ酸を摂取することです。運動後の30分は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、身体を修復するための栄養素が体内に吸収されやすい状態になっています。アミノ酸は消化の必要がないため、内臓にも負担をかけず素早く吸収されていきます。走ることとアミノ酸摂取は、セットで一つのトレーニングと考えましょう。

アミノバイタル®GOLD

走行距離を延ばすためにも週末ロング走後にリカバー用のアミノ酸を。必須アミノ酸4000mg(ロイシン高配合BCAAなど)が配合された最先端のスポーツサプリメント。飲みやすいスティックに入った顆粒タイプ

レース3~4週間前まで

「レース本番を意識した30km走」と「アミノ酸+エネルギー補給の予行演習」

レース3~までimage

この時期のトレーニング

フルマラソンを目指すといっても、目標タイム、ランニング歴、年齢、性別は個々で違います。

それでも全てのランナーに取り入れて欲しいのが「レース3~4週間前までの30km走」です。この30km走では、長時間動き続けるフルマラソンを見据えた「後半も粘れる脚づくり」と「精神的な耐性強化」が目的になります。

マラソンを走るときにエネルギー源として主に使われるのがグリコーゲン(糖)ですが、体内に貯蔵できるグリコーゲンの量には限りがあります。グリコーゲンを蓄える力を高めるためには、一時的な枯渇状態を経験しておくことが効果的と言われており、30km走はグリコーゲンを枯渇状態に近づけるという意味では非常に有効なトレーニングです。

この時期の補給術

30kmを走るときに心がけたいのが、本番を意識した計画的なエネルギー補給とアミノ酸補給。

前述のとおり、体内に貯蔵できるグリコーゲン量には限りがありますので、30km走の途中にエネルギーを補給する練習をしておきましょう。また、負荷の高い練習では、走行中から筋肉が壊れ、アミノ酸に分解されエネルギーとして再利用されます。そこで、筋肉の材料となるアミノ酸も同時に摂取することで、フル稼働している身体をサポートすることができます。

30km走の際は、レース当日に持ち込む予定の補給食やサプリメントを用意できればベストですね。本番で初めて試し、「自分の体質に合わなかった」ということにならないよう、補給食やサプリメントのシミュレーションも済ませておきましょう。

アミノバイタル®アミノショット®
パーフェクトエネルギー®

走り続けるためのエネルギー源アミノ酸(アラニン+プロリン)2500mgと、糖質を含んだ小容量のエネルギー補給ゼリー。走りながらでも開けやすい携帯性に優れたジェル状アミノ酸。水無しで飲める45gの小容量ゼリー。

アミノバイタル®アミノショット®

走りながらでも開けやすい携帯性に優れたジェル状アミノ酸。水無しで飲める43gの小容量ゼリー。ランニングに必要なアミノ酸(BCAA+アルギニン)3600mg配合。開けやすい包装でレース中にもお勧め。

レース前日まで

「疲労をリセットするためのスピード走」と「アミノ酸ローディング」

レース3前日までimage

この時期のトレーニング

レースまで残り1カ月を切ったこの時期になると、十分に練習を重ねてきた人でさえ、自分の練習量は不足しているのではないかと不安に感じてしまうことでしょう。だからといって、さらに練習を重ねて、走り過ぎてダメージを残したままレース当日を迎える、なんてことがないように! 42.195kmを走るうえで大事なことは「脚作り」と「スピード」のバランスです。この時期からの練習は、走行距離を徐々に減らす代わりに、本番に近いペースで走る「スピード走」の回数を増やしていきましょう。

また、レース1週間前までには全力で10km走を行いましょう。疲労というのは厄介なもので、あまり疲労を実感せずに当日を迎えてしまうと、実は身体の奥に残っていて、レースで初めてそれがわかることがあります。私はこの10km走後、3~4日は疲労感を感じていましたが、それは悪いことではなく、ちゃんと内側に残っていた疲労が外に出せたと、ポジティブにとらえていました。大切なのは、多少追い込む事で刺激を入れ、レース当日に向け疲労を外に出し、身体をリセットさせることです。

この時期の補給術

調整期間は、トレーニング内容だけでなく、日常生活でも身体を気遣うことが重要です。

私が現役時代から続けていることとして、かばんの中にペットボトル500mlを入れておき、少しでも喉が渇いたら水分を摂るようにしていました。常に身体を水分で満たすよう心がけていた結果か、私はレースやトレーニングで脱水による脚の痙攣などの経験はありません。

冬場のランニングは空気の乾燥や風により皮膚表面から水分を奪われるため、実は脱水になりやすいです。気づかないうちに体内の水分が減り、脱水の症状が出ることもあります。日ごろから水分はこまめに取りましょう。コップ1~2杯の水分を補給してから練習するのもおすすめです。

また、レース10日前からは寝る前にもアミノ酸を摂るようにしていました。アミノ酸はある程度身体のなかに蓄えることができるので、レース当日のダメージを抑制することが期待できます。 アミノ酸+ウォーターローディングがレース快走の鍵となりますので、ぜひ実践してみてください。

アミノバイタル®PRO

万全の状態でレースを迎えるために身体をサポートするアミノ酸。素早く吸収されるアミノ酸(BCAA+グルタミン、アルギニンなど)3600mgと8種類のビタミンを配合。スティックに入った顆粒タイプ

レース当日

「30kmの壁」を乗り越えるためのアミノ酸+エネルギー補給術

レース当日image

フルマラソンでの「30kmの壁」という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、これは多くのランナーが、30~35kmぐらいで失速してしまうことから来た言葉です。主な要因は、「エネルギー切れ」と「筋力不足」と考えてよいでしょう。これまでのトレーニングで培った脚力に加え、本番はエネルギー補給、アミノ酸補給を計画通り実践することで「30kmの壁」は遠ざけられます!

この時期の補給術

朝食
スタート
2~3時間前
おにぎり、うどん、パンなどで糖質補給
レース前

レース30分前のアミノ酸補給

アミノバイタル®プロで筋肉の材料となるアミノ酸と、
アミノバイタル®パーフェクトエネルギー®
持続エネルギー源アミノ酸をすばやく補給。

レース中

20~30km地点のアミノ酸補給

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アミノバイタル®アミノショット® パーフェクトエネルギー®
持続エネルギー源アミノ酸を補給し、レース後半の粘りをサポート。

レース後

レース後30分以内アミノ酸補給

アミノバイタル®GOLDまたは、
アミノバイタル®GOLD ゼリードリンク
明日のために「ゴールデンタイム」を意識したリカバーを。