日刊ランナーズ

故佐々木七恵さん(エスビー食品)のお別れ会

 去る9月29日、6月に亡くなった佐々木七恵さんの「お別れの会」が都内で開かれました。佐々木七恵さんは日本の女子マラソンのまさにパイオニアで、ロサンゼルス五輪(初めて女子マラソンが正式種目として採用された)代表として増田明美さんと共に出場。瀬古利彦選手を育てた偉大なマラソンコーチ、中村清氏の唯一の女子門下生でもありました。
 会が七恵さんが所属していたエスビー食品陸上部の呼びかけで開催されたこともあって、来場者のほとんどがマラソン関係者。増田明美さん初め、「七恵さんの走る姿に感動して自分もマラソンを走ろうと思った」と語る山下佐知子さん(第一生命陸上部監督。現役時代に東京世界陸上で銀メダル、バルセロナ五輪で4位。先のベルリン世界陸上で銀メダルに輝いた尾崎好美選手を育てた)、瀬古利彦さん、中国電力の坂口泰監督(現役時代はエスビー食品)、新宅永灯至(雅也)さん、中村孝男さんなど往年の名ランナーと共に、七恵さんの同期や後輩、日本陸連関係者、テレビ、新聞の運動部記者などが七恵さんの早すぎる死を悼むとともに、立食でお茶を飲んでお菓子をつまみながら昔懐かしい思い出話に花が咲きました。
 会場では七恵さんの東京国際女子マラソン優勝時のテレビ中継がビデオ上映され、往時の活躍ぶりが写真展示されていましたが、儀式めいたことは何ひとつ行われず、ご遺族も来場者と歓談。退出時にご主人、お兄さんが挨拶に立たれただけ、と形式ばったことが嫌いでその素朴さが皆に愛された、いかにも七恵さんらしいお別れ会でした。

(2009年10月6日)

1983年の東京国際女子マラソンでゴールテープを切る佐々木七恵さんの写真入りクオカードが参会者に記念の品として渡された

1983年の東京国際女子マラソンでゴールテープを切る佐々木七恵さんの写真入りクオカードが参会者に記念の品として渡された

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