日刊ランナーズ

トレイルランの輪を関西にも!
鏑木毅さん大阪で特別講演

 3月28日(土)、29日(日)の2日間、大阪学院大学において第21回ランニング学会が開催され、各大学の専門家や大学院生がランニング動作やパフォーマンス、トレーニングなどの研究を発表した。2日目はトレイルランナーの鏑木毅さんが「トレイルランニングの現状とその将来性について」という題で講演を行った。一般公開しているため、「ファン」と思われる女性が一番前に陣取る姿も。
 昨今のランニングブームと同様にトレイルランニングの人気も急上昇しているが、鏑木さんは「人間はもともと野山を歩いて・走っていました。歴史的に見れば、アスファルトを走るほうが歴史が浅いのです。つまり、私たちランナーはもともとトレイルランナーだったと言えます」と持論を披露した。会場からは自然への悪影響や、登山者・ハイカーとの共存についての質問があったが、「山でのルールを守ることの大切さはもちろん、トレランが普及して山に入る人が増えることで、逆に荒れた山を守ることがきます」と、地方経済の活性化や使われなくなった廃道、古道の再確認、それによる地域住民の地域への愛着感の高まりなどを例に挙げ、トレランによるプラス面やその役割についても言及した。
 「トレランは本当に面白いイベント。ただ、現在トレランは関東の文化という色が濃いので、関西にもその輪を広げていきたいと思っています。関西にも素晴らしいフィールドがあります。ロードだけではなく、山もぜひ一緒に走りましょう」と締めくくった。

【プロフィール】
鏑木毅(かぶらき・つよし)
1968年群馬県生まれ。大学時までは長距離に専念し、28歳からトレイルランを始める。現在は、日本を代表するトレイルランナー。レースだけではく講演や講習会なども積極的に行っている。

関連書籍・雑誌
⇒ 『トレイルランナー鏑木毅』
⇒ 『1冊まるごとトレイルランvol.3』

(2009年3月30日 ランナーズ編集部/角田尚子)

スライドショーを使い、トレイルランの歴史や将来性について講演した

スライドショーを使い、トレイルランの歴史や将来性について講演した

バックナンバー確認