トレイルランニング専門・RUNNET TRAIL

　トレイルランのレースは長いものが多いので、追い込む練習というより、長時間身体を動かして体力をつけるほうが初めは効果的だと思います。今回紹介する南アルプスの鳳凰三山は、それなりにきついのですが、スケールの大きな景色が素晴らしく、楽しみながらトレーニングになるオススメのコースです。

　鳳凰三山とは、地蔵岳(2764m)、観音岳(2840m)、薬師岳(2780m)の3つの山の総称です。今回は青木鉱泉（中央高速韮崎インターより車で1時間、JR中央線韮崎駅よりタクシーやバスで1時間）からスタートしてドンドコ沢を上り、地蔵岳～観音岳～薬師岳と縦走し、中道を下って青木鉱泉へ戻る周回コースを紹介します。

　最初はドンドコ沢の上りです。途中に4箇所、道をそれて滝を望むポイントがあります。どれも見どころのある滝ですが、なかでも五色の滝は迫力満点です。ドンドコ沢はかなり急登なので、滝を見るのがいい休憩になります。登山ではこのコースを下りに利用することが多いらしいのですが、トレランの場合、下りを一気に走りたいので、この場合は上りに利用するのがいいと思います。地蔵岳まで上ると突然そこは別世界！　花崗岩の白い山肌に変わります。ここまでできつい上りは終了。ここからは地蔵岳～観音岳～薬師岳まで稜線を走れる気持ちのよいコースが続きます。

　薬師岳からは中道コースを下山します。樹林帯をひたすら下るコースです。途中見るものもあまりないので登山だと少し退屈なのかもしれません。でもトレランだと楽しい！　すれ違う登山者も比較的少ないので、思う存分下りを楽しめます。木の根が張り出していたり、かなりスピードが出てしまうジグザグ道があったり、トレイルも変化に富んでいます。長い下りを終えてゴールに着いたら、最後は青木鉱泉で入浴。汗まみれでクタクタになった後のお風呂は最高です。

　このコース、私の場合は休憩込みで7時間くらいでしたが、通常は１泊２日のコースなので、余裕をもって早朝に出発するのがよいと思います。また時間に余裕がなくなってしまった時は、稜線を走らず地蔵岳で折り返しにしてもいいと思います。私の中では夏のトレランの定番コースになっています。ぜひ出かけてみてください。