リレーエッセー 達人たちのトレランコース
毎月トレイルの達人たちがリレーで、独自のトレーニング法や、練習中のエピソードをまじえ、大好きなトレーニングコース(トレイル)を紹介してくれるコーナーです。
番場洋子さん

「京都東山・大文字山コース」

練習にも気分転換にも使える、景色最高のお手軽1時間コース

今月のナビゲーター: 番場洋子/オリエンティア

京都東山・大文字山コース

 東山トレイルは京都伏見稲荷神社から比叡山までをつないだ全長24.3kmのコースだが、その中でお手軽に1時間あれば行ける大文字山コースを紹介したい。このコースの魅力は、なんといっても景色だ。最初は、競技オリエンテーリングの先輩に引き連れられて練習としてこのトレイルを走り始めたが、すっかり気に入って、気分転換としてのんびり走り景色を楽しむコースとしても使うようになった。

 きつい練習として走る時は、クラブのメンバーと一緒に、山頂までのタイムトライアルだった。遅い人が先にスタートして、追い抜かされるたびに引っぱってもらう、という時もあれば、一斉にスタートしてあっという間に男子は見えなくなり、黙々と我慢しながら走る時もあった。このコースは、前半が急斜面で後半が比較的平らなので、「始めガッツで後は耐える」、「ゆっくり入って後半に追い込む」など、走り方も変えたりしていたら、毎回行っていても全然飽きなかった。

 山頂からは「下りの練習区間」。競技オリエンテーリングでは、道以外の足場の悪い場所も走るので、道の下りはどちらかというとタイムを稼ぐ区間で、頑張って走らなきゃいけない。よく横腹が痛くなって泣きそうになったりもしたが、おいていかれるのも悔しいので、ついていった。やっているうちに、足の置き方、体重の移動方法なんかを身体が覚えるのか、怖いもの知らずになっていって、速く走れるようになった。(が、これは慣れなので、今はたまに行くとここがホント怖い。)

 このコースで一番景色がいいのは有名な五山の送り火が行われる「大」の字エリアで、実はここに行くだけなら、ゴール(銀閣寺側)から行ったほうが早い。銀閣寺からは15分もあれば、ここまで行ける。たまの出張で京都に行った時でも、朝練でいくことができるぐらいお手軽だ。大の字からは、京都盆地のまわりの山々や、あちこちに緑あふれる市街が一望でき、ここに立つと本当にスッキリする。一度いったら絶対はまるのでぜひ行ってみてほしい。そして大文字からの景色と同じぐらいお勧めなのが、ゴール後の冷えたパインジュース、疲れた身体にしみわたり、心も身体も超回復できる一品だ。ゴール近くの北白川今出川の交差点から少し降りたところにお店があるので、シューズの中に500円を入れていくのを忘れずに!

京都東山・大文字山コース

番場洋子さんのトレーニングコースは、LatLongLab「猛レース」で見ることができます。このコースを走ったことのある人は、自分のタイムを登録して、ネット上で番場さんとバーチャルランを楽しめます。実際に走ってみたら、ぜひ登録してみてください。

地図提供:LatLongLab

番場洋子さん番場洋子/オリエンティア

1998年大学入学と同時にオリエンテーリングを始め、04年から日本代表として世界選手権に連続出場中。05年以降は勤務先の堀場製作所から支援をうけて競技を続けている。昨年の成績は、日本選手権優勝、世界選手権スプリント競技36位、アジア選手権 3種目優勝。オフシーズンは、トレイルランの大会にも出場している。株式会社堀場製作所所属。

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次回のナビゲーター:柳下大さん
オリエンテーリングや、トレイルの大会で活躍するランナーで、ロゲイン(大規模なオリエンテーリングのような競技)の世界選手権にも出場されています。番場洋子さんからのご指名です。