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RUNNET TRAIL コラム

トレラン・レースリポート

  • 志賀高原マウンテントレイル

開催日: 2018年7月7日 (土)
開催地: 長野県上高井郡山ノ内町志賀高原
距離:
【ロング40km】完走者数: 307人/出走者数: 320人 完走率: 95.9%
【ショート14.8km】完走者数: 328人/出走者数: 331人 完走率: 99.1%

たっぷり登りたっぷり走る良コース! 随所にトレラン愛を感じる大会

リポート/町田 知宏さん

2年前にこのレースのショートコースに参加し、温かい大会の雰囲気や2000m超の山から見える景色が忘れられず、またいつか出場したいと思っていました。本来50km以上のレースが得意なのですが、標高の高い志賀高原は夏でも涼しく集中して走ることができるので、スピード練習と考えてエントリーしました。

この前週までスピード強化のために3週間続けてショートやミドルレースに出場していたのもあって身体は多少重い状態でしたが、ラストのトレイル13kmをしっかり走りきって4時間を切るのを目標として臨みました。

●コースマップ
http://www.nature-scene.net/smt/map/


町田さんの装備
エイドは14km地点と24km地点の2箇所にあるのですが、標高が高く涼しいとはいえ夏場のレース。ザックに水分を1リットル、45分にひとつジェルを摂る計算でジェル6個と、普段より多めに持ちました。
雨上がりで地面がぬかるんでいると想定し、普段よりグリップの強いシューズを選びました。
必携装備ではありませんが、風も強かったため、ウインドシェルも携帯しました。


第1エイド(14km)までは山岳区間。飛ばしすぎず脚を残す

スタートしてまもなく、小川が流れる横のフラットに近いトレイル(アライタ沢)に入ります。約5kmに渡り、すごく気持ちよく走れる区間です。走力があるランナーがガンガン飛ばしますが、まだまだ先は長い。周りは意識せず、マイペースで10位前後のポジションで進みました。スタート地点でも標高が1700m程度あるせいか、ペースはゆっくりでも少し苦しく感じました。

ノッキリ(2070m)までは木段が続き、約2kmの間で400m登ります。走れるところは走り、急な登りはリズムよく歩くことを意識し、脚を温存しました。ここで先頭の2選手は見えなくなるものの、3位からはほぼタイム差がなくなり、私も4位まで上がりました。

40kmと14.8kmで計651人が出場
40kmと14.8kmで計651人が出場


快走できる最初の5km

快走できる最初の5km

木段はリズムよく緩急をつけて

木段はリズムよく緩急をつけて


目の前に開ける山々の美しい稜線!

前日までの雨で柔らかい志賀高原の土はぐちゃぐちゃ。ところどころで泥に脚がはまり、靴が2度脱げました(笑)。そんなアドベンチャー要素もトレランの魅力です。

はしごを昇り・・

はしごを昇り・・

水場をサブサブ!

水場をサブサブ!

この日は曇りで時折小雨が降る天気でしたが、稜線沿いから見える絶景に目を奪われ、急な登りを頑張ったご褒美をもらえたかのように思いました。

稜線に別れを告げると、ゲレンデなどを下り、一度スタート地点付近まで戻ります。ところどころで木道があり、滑らないように注意しつつ、第1エイドを目指します。この時の順位は4位。3位のランナーが前に見えたので、無理をしないペースで追いかけました。

第1エイド手前で残っている飲み物の量をチェックすると、1時間半で200mlも飲んでいませんでした。毎回エイドは楽しみにしているのですが、その気持ちをこらえて、エイドには寄らずそのまま通過しました。

森林限界を超えた標高約2000m地点からは絶景が見渡せる
森林限界を超えた標高約2000m地点からは絶景が見渡せる


ゲレンデ下に待つ第1エイド

ゲレンデ下に待つ第1エイド

食べやすいサイズがうれしい温泉饅頭

食べやすいサイズがうれしい温泉饅頭


第2エイド(24km)までは400m駆け上がるアップダウン。スタッフの声援が力に

この区間はスキー場のゲレンデを直登し、400mほど登って焼額山山頂(2009m)を目指します。ゲレンデの登りが得意な私はここから少しギアを上げようと考えていました。

が、予想以上に疲労がたまっていて正念場の登りを前にペースを落としてしまい、3位の選手にもついていけなくなりました。弱気になり、見晴らしの良い登りで後ろを振り返ると10位前後までの選手が僅差で続いています。それでも何とか追い上げることに成功し、焼額山山頂では2位に上がりました。
この厳しい区間、コースの要所要所にいてくださったスタッフの方が大声援をくださり、すごく力になりました。

登った後は、第2エイドまで林道を一気に下ります。先ほどまでの疲労感が嘘のように元気になり、前を追うことができました。4km近く下るとエイドに到着し、先頭とは2分差だと教えていただきました。

山頂から林道を駆け下りる
山頂から林道を駆け下りる


勝負を決める、ラストのトレイル!

エイドからはロードを3kmほど下り、それからは走りやすい熟平トレイルを13㎞ほど走ってゴールとなります。フレッシュな状態なら間違いなく走れますが、疲労があると走れない。ここを走れるか歩いてしまうかでタイムが大きく変わってしまう、頑張りどころの区間です。

走るか歩くか、踏ん張りどころ

走るか歩くか、踏ん張りどころ

野生のサルもお目見え!

野生のサルもお目見え!

エイドではスポーツドリンクを1杯いただき、ロードをキロ3分30~40秒のペースで走っていると、先頭の選手が見えてきました。トレイルに入ってすぐに逆転し、そこからはペースを落とさないよう意識して走り抜き、ゴールを目指しました。

「先頭の選手がまもなく戻ってきます」というアナウンスが聞こえ、最後の力を振り絞りました。結果、3時間50分35秒で優勝することができました。

ラストのトレイルでトップに。見事優勝!
ラストのトレイルでトップに。見事優勝!



レースに華を添える名物リンゴジュース!

ゴール後は私の大好物で、北信濃トレイルフリークス主催の大会名物である「北信ファーム」のリンゴジュースを一気飲み。会心のレースの余韻に浸りました。

お楽しみの名物リンゴジュース

お楽しみの名物リンゴジュース

豪雨の影響で大会の開催も心配しましたが、当日はほぼ雨には降られませんでした。万が一に備え、エスケープルートもたくさん考えてくださっていて、安心できる大会だと思いました。
随所に心配りがあり、トレランが好きで一致団結したスタッフの皆さんが作った温かい大会。また走りたいという思いが一層強くなり、病みつきになりそうです。

選手を楽しませたい思いがコースのそちこちに

選手を楽しませたい思いがコースのそちこちに

温かな出迎えがうれしい

温かな出迎えがうれしい

■次回参加の方へのアドバイス

・累積標高は1690mとそれほどなく、これからロングトレイルレースを目指す方におすすめ。ただ、標高2000m以上の区間も走るので、山でのトレーニングをしっかりして臨みたいです。高地を走る装備も忘れずに。

・志賀高原の土は柔らかいです。ビギナーはグリップがしっかりしているシューズを選んで。

・前半の14kmは山岳区間、そこで頑張りすぎず脚を残す。稜線から広がる絶景を楽しむ余裕をもって。

・温存した力を走り通せる最後の10㎞にぶつけて、ふかふかのトレイルを気持ちよく快走しましょう!

・5kmごとに距離表示あり。その他メッセージボードがたくさんあり、勇気付けられるものや思わずクスッと笑ってしまうものまであり、楽しめます。

・土曜開催なので、翌日は長野観光を満喫できます。大会後にはパーティーもあり、まわりのランナーと親睦を深めることもできます。


アフターパーティーではみんなで焼肉に舌鼓!

アフターパーティーではみんなで焼肉に舌鼓!

子どもたちの多さも和やかムードの要素

子どもたちの多さも和やかムードの要素

町田 知宏さん

群馬県出身、東京都在住の会社員。29歳。トレラン歴4年。
マラソンの夏場の脚づくりに始めたトレランだが、山の魅力にどっぷりはまり、最近は山岳レースがメインに。
2016・2017スカイランニング日本代表。
2016スカイランニングアジア選手権2位。2018STY3位。
2018奄美ジャングルトレイル50K優勝、スパトレイル38K優勝。