本サイトではより多くの方に快適に利用して頂ける様に、アクセシビリティ面を充分に考慮したコンテンツの提供を心がけております。その一環として、閲覧対象コンテンツのすべてにスタイルシートを使用して制作しております。現在閲覧に使用されているブラウザには、当方制作のスタイルシートが適用されておりませんので表示結果が異なりますが、情報そのものをご利用するにあたっては問題はございません。

RUNNET TRAIL コラム

トレラン・レースリポート

  • 2015大雪山ウルトラトレイル

開催日: 7月25日(土)、26日(日)
開催地: 北海道大雪山系(遠軽町・白滝)
完走者/出走者: 80km:135人/192人、40km:149人/156人、25km:105人/113人
コースマップはこちら

緩やかなアップダウンの快適コースの後には
雄大でタフな山岳コースが待っている!

リポート/三浦裕司さん

累積標高差3,855mの80km(制限時間15時間)を最長に、40km、25km、さらに5kmトレッキングという種目もある、北海道最大規模のトレ イル大会、大雪山ウルトラトレイルは今年で3回目の開催となりました。このコースを知り尽くし、今回総合3位となった三浦裕司さんに、タフな80kmの コースとその攻略法を紹介してもらいました。

私が出場した80kmのスタート&ゴールは、大雪山系、遠軽町・白滝にある白滝高原キャンプ場。北海道の初夏の日の出は早いが、スタート時間の4時はまだ薄暗く肌寒い。スタート直後はしばらく緩い下りのアスファルトが続き、身体を温めるにはちょうど良い。体調が整ったころに林道・作業道に入る。北海道特有の雄大な牧草地や畑作地帯の平坦な道が続く。

80kmの部は、エイドステーションがA1~A7まで、7箇所設置されている。最初のエイドステーションA1(18km地点)から白滝町の北側の山裾に延びる林道へと進む。適度なアップダウンが続き、白滝町の市街を経てエイドステーションA2(25km地点)へ。ここからエイドステーションA3(33.5km地点)までは小川沿いの小道と牧草地の作業道を進む。この辺から次第に疲れが溜まってくる。

エイドステーションA3からは、白滝クロスカントリースキーコースを進む。全日本大会も開かれる本格的なコースで、クロカンスキー独特の長めのアップダウンがある。その後、A4(48km地点)からは視界の開けた、アップダウンの続く林道に入る。エイドステーションA5(54.5km地点)からいよいよ本格的な山岳地帯へ入るが、そこまでの5kmほどの区間をどのようなペースで進むのかが、前半の最大のポイントになる。

今回はあいにくの天候で雄大な景色は見られなかったものの走りやすいコンディションだった
今回はあいにくの天候で雄大な景色は見られなかった
ものの走りやすいコンディションだった
北海道遠軽町・白滝にある白滝高原キャンプ場に設定された会場をスタート!
北海道遠軽町・白滝にある白滝高原キャンプ場に設定
された会場をスタート!

山岳地帯はレース後半、50km過ぎから始まる
変化に富むトレイルレースの醍醐味を味わおう!

エイドステーションA5(54.5km地点)は第一関門(制限時間8時間)で、25kmの部のスタート地点でもある。ここを過ぎて、登山道を進むと右側から流れる冷たい沢水に出会う。これから続く長い登りに備えて小休止。冷たい沢水が、ボロボロになっている体を癒してくれる。しばらく進むと、年によって規模が異なるが、大きな雪渓が前方に立ちふさがる。今年は直前に気温が上がったため、ほとんど残っていなかったが、多いときは傾斜25度で長さ200mほどの雪渓の上を走る。慣れてないランナーにとっては難関だ。

前半は我慢の走りだったが、エイドステーションA6(60.km地点)の平山登山口からペースを上げ、山岳地帯は快調に走れた。高度が増すにしたがって、次第に高木帯、低木帯、這松帯と植生が変化する。

第2関門地点の平山分岐点(63Km地点・制限時間12時間30分)から右折すると、比麻良山までの約1.8kmは自然保護のため、歩いて通行しなければならない歩行区間(この区間の通過時間は全員一律に30分)となる。普通に歩いて25分ほどなので、ここで体調を整え、補給をし、余裕を持って左側前方に広がるアンギュラス(怪獣の尾びれのような岩稜帯)のシルエットを目に焼き付けたい。

今回、天候はあいにくの曇り空で、山岳地帯では視界が利かなくせっかくの雄大な景観を見渡すことができなかったが、本来なら大雪山系主峰の景観や、北海道独特のどこまでも続く大自然を堪能できる。視線を落とせば、北大雪主要山岳地帯に広がる豊かな高山植物が咲き乱れている。登山道のトレースが分かりづらい区間もあるので、トレースを外さないようにしっかりと確認しながら進む。

このルートは一般登山者も行き来しているので、使わせていただいている感謝の気持ちで声をかけることが大事。比麻良山からの見通しのいい這松帯を下ると、冷たい水が待っているエイドステーションA7(68km地点)に着く。やぶ蚊が多い山中の沢沿いで、1日中ランナーを迎えてくださるスタッフの方々に感謝しながら通過したい。レースはここからが本当の勝負所。普段あまり使われていない登山道を、この大会のため実行委員長の矢木勝さんらが中心となり整備してくださった気持ちの良い笹原の長い登りが続く。

有明(70.5km地点)手前の登りは本当に長く感じる! ここでのエネルギーが残っていることが大切。有明からは細い稜線上の這松帯が続く。這松の根に足を取られないように慎重に進む。最後に待ち受けているのは、前方に壁のように迫ってくる天狗岳(72km地点)への急な登りだ。気力を振り絞り、手も使いながら這い上がる。見通しが良く、点々と前のランナーが見える。天狗岳山頂での荘厳な景色に一瞬だけ癒され、ゴールまで続く長い下りに入る。

白滝スキー場からは、ゲレンデ横の急な下りを進む。大小の浮石が点在しているので、疲れた足には酷だが、重心を低くして慎重に進む必要がある。最後に小さい登りを超えると、500mほどで白滝高原キャンプ場のゴールアーチと大会シンボルの「MAMMUTのマンモス」が見えてくる。長い1日が終わり、全力を出し切り、感謝しながらゴール!  (MAMMUT北海道 三浦裕司)

80kmの部はエイドステーションが7箇所設置されている。このように民家の多い平地部もあれば、険しい山岳地帯にもスタッフの方々ががんばっている
80kmの部はエイドステーションが7箇所設置されている。
このように民家の多い平地部もあれば、険しい山岳地帯
にもスタッフの方々ががんばっている
高度が上がるにつれて植生が変化していく。そんなことを感じながら走れるのも標高差が大きい大会のおもしろさ!
高度が上がるにつれて植生が変化していく。
そんなことを感じながら走れるのも標高差が大きい大会
のおもしろさ!
レース後半は山岳地帯でタフなコースになるため、前半に頑張り過ぎず力を残しておくことが重要
レース後半は山岳地帯でタフなコースになるため、
前半に頑張り過ぎず力を残しておくことが重要
長いレースを経て、白滝高原キャンプ場に戻る。レースを運営するあらゆる人たちに感謝しつつゴール!
長いレースを経て、白滝高原キャンプ場に戻る。
レースを運営するあらゆる人たちに感謝しつつゴール!

リポーター/三浦裕司さん(57歳)

リポーター/三浦裕司さん(57歳)

札幌市内高校物理の教諭であり、ハワイトライアスロンアイアンマンレース、スキーオリエンテーリング世界選手権、山岳スキー世界選手権に参加。現在、北海道で山岳スキーレースやトレイルランで活躍し、アジアカップ韓国山岳スキーレースで7連覇中。チームMAMMUT北海道所属。今大会には2014年に続き、今年も80kmの部で総合3位(8時間42分25秒)だった。