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RUNNET TRAIL コラム

直前トレーニングは「山用の刺激」を入れよう

  • 第1回:
  • 直前トレーニングは「山用の刺激」を入れよう

いよいよ目前に迫ってきた日本山岳耐久レース(ハセツネ)。
夜間走を含んだ71.5kmは、体力、技術、戦術と様々な要素が求められる。
本当に完走できるのか、不安に思う人もいるだろう。
そこでハセツネを走りきるために今からできることを、第1回大会優勝者の田中正人さんに3回にわたって解説してもらった。
第1回目は直前のトレーニング。
トレラン仕様の脚を作り上げよう。

トレーニングは筋力の強化を目的に

 まだトレーニングで走力を伸ばせる時期。特に普段からロードで十分に走り込んで基本のできているランナーにとっては、「山用」に刺激を入れていくだけでも、大きな効果が期待できる。
 この時期のトレーニングは、本番と同じレースコースで行うのが理想的。効果的にトレーニングを行うと同時に、自分の実力を確認したり、コースを覚えたりといったことができるからだ。
 短期間でのトレーニングでは、筋力の強化を主な目的に行う。標高差200m程度の下りを一気に駆け下りて、大腿四頭筋など下りで使う筋肉に刺激を入れる。上りは大臀筋やハムストリングスなどを意識した走りで、短い距離を一気に駆け上がるといったインターバル的な走り方が効果的だ。

制限時間は24時間。長い時間動き続ける体力さえあれば、完走はそれほど難しくない

制限時間は24時間。長い時間動き続ける体力さえあれば、完走はそれほど難しくない

練習で筋肉痛になったらしめたもの

 平地のランニングでは使っていなかった筋肉を使って走れている証拠だからだ。こうした練習を何度か繰り返していくうちに「トレラン仕様」の脚が出来あがってくる。
 こうした練習をするには、ある程度長い距離の上り、下りが必要になる。もしハセツネCUPのコースに来られないとしても、身近な山道での練習は欠かせない。こうした練習で、今まで山を走っていないランナーなら、1~2時間のフィニッシュタイムの短縮も可能だ。
 負荷の高いトレーニングができるのは、大会の2週間前くらいまで。それ以降はレースに向けてコンディションを整える時期だ。
 2週間前からは、トレーニングは30分から1時間程度に収める。その中でも、山での練習で筋力が弱いと感じているなら筋力トレーニング、心肺系を強化するなら水泳を取り入れるなど、筋力と心肺能力のバランスを取るように心がける。
 レースの3日前くらいからは、休養が最優先事項となる。

事前の夜間走で山道がどう見えるか確かめよう

 ハセツネCUPの特殊な要素としては夜間の走行がある。選手によっては、まるまる一晩を山の中で行動し続けることになる。だから、事前に夜間走の練習をしておくことも必要だ。
 夜の山では、思わぬ事故もあるので、経験者を含めた複数のメンバーで練習を行うのが原則。昼とは違って簡単な分岐を見落としたりして、ミスコースをすることも多いから、走り始めたらメンバー同士離れないこと。また、昼間走ってコースを十分に知っている場所で行うことも大切だ。
 ライトで夜の山道がどう見えるのか、ライトの明るさは十分か、点灯時間は大丈夫かなど、装備に関する検証もして問題があればレースまでに対応する。
 もし、山で夜間走行の練習をする機会が作れなければ、公園などでも構わないので、ライトを使った夜間走行の経験をしておこう。

※『1冊まるごとトレイルランvol.2』(2008年8月21日)掲載のものをそのまま転載しています

ハセツネはトップ選手でも夜間走行が必須。

ハセツネはトップ選手でも夜間走行が必須。

田中 正人

指導/田中 正人(たなか・まさと)


1967年生まれ。第1回日本山岳耐久レース(ハセツネ)の優勝者。その後プロアドベンチャーレースチーム「EAST WIND」を率い、世界各地のアドベンチャーレースで活躍。ハセツネCUP安全走行講習会をはじめ、各種のトレイルランセミナーを実施している。
http://www.east-wind.jp/
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