路面が整備され、大きな勾配の変化もないロードを走る場合は、一定ペースが基本です。距離表示のあるコースでラップをとったり、経験豊富なランナーならば、体感でもある程度の一定ペースを作ることは可能でしょう。
一方、トレイルはきつい上り坂もあれば、急な下り坂もあります。足場も不安定なガレ場から、障害物の少ない林道まで、その変化の激しさは、ロードとは比べものになりません。そんな状況下で、同じペースで走ろうとすることは非常に難しく、またあまり意味をなさないでしょう。
トレイルでは、ペースよりも、身体にかかる負荷を一定にして走ることが重要になってきます。例えば急勾配の上りは歩き、下りになって身体がラクになってきたら再び走り出す。身体の声に耳を傾けることで、極力変化によるダメージを軽減することができるのです。
心拍計で身体への負荷を測るのも、ひとつの手段でしょう。しかし心拍には余裕があっても、脚に余裕がない、ということもあるので、ケース・バイ・ケースではないでしょうか。
またトレイルは、ロードよりも負荷が高いうえに、長い距離を走ることが多いと言えます。意識としては、最初はおしゃべりができるくらいゆっくり、頑張るのは後半から。そのくらいのつもりで走ったほうが良いでしょう。
最初に飛ばし過ぎたことで、身体に疲労物質を貯めてしまったり、脚を痛めて途中で動けなくなってしまっても、トレイルではすぐに救助が来るとは限りません。レースでも、最初はゆっくり入ったほうが、タイムは伸びるでしょう。
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下りを上手に走れるようになると、トレイルランがさらに楽しくなる
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