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RUNNET TRAIL ビギナー

走ってみよう編2~トレランの走り方~

トレイルランの鉄則「最初はゆっくり」

路面が整備され、大きな勾配の変化もないロードを走る場合は、一定ペースが基本です。距離表示のあるコースでラップをとったり、経験豊富なランナーならば、体感でもある程度の一定ペースを作ることは可能でしょう。
 一方、トレイルはきつい上り坂もあれば、急な下り坂もあります。足場も不安定なガレ場から、障害物の少ない林道まで、その変化の激しさは、ロードとは比べものになりません。そんな状況下で、同じペースで走ろうとすることは非常に難しく、またあまり意味をなさないでしょう。
 トレイルでは、ペースよりも、身体にかかる負荷を一定にして走ることが重要になってきます。例えば急勾配の上りは歩き、下りになって身体がラクになってきたら再び走り出す。身体の声に耳を傾けることで、極力変化によるダメージを軽減することができるのです。
 心拍計で身体への負荷を測るのも、ひとつの手段でしょう。しかし心拍には余裕があっても、脚に余裕がない、ということもあるので、ケース・バイ・ケースではないでしょうか。
 またトレイルは、ロードよりも負荷が高いうえに、長い距離を走ることが多いと言えます。意識としては、最初はおしゃべりができるくらいゆっくり、頑張るのは後半から。そのくらいのつもりで走ったほうが良いでしょう。
 最初に飛ばし過ぎたことで、身体に疲労物質を貯めてしまったり、脚を痛めて途中で動けなくなってしまっても、トレイルではすぐに救助が来るとは限りません。レースでも、最初はゆっくり入ったほうが、タイムは伸びるでしょう。

下りを上手に走れるようになると、トレイルランがさらに楽しくなる

下りを上手に走れるようになると、トレイルランがさらに楽しくなる

つま先を内側に入れるとお尻を使って上れる

 次に、上りと下り、それぞれの走り方について解説していきます。
 下りの走り方については、トップ選手も常に試行錯誤しているところであり、明確な答えはありません。時間をかけて意識して練習していくことが大切です。
 基本的なことでいえば、前傾姿勢によるスムーズな重心移動を心掛けています。重力に逆らわず、力を抜いて下っていく。慣れないと恐怖心から、どうしても後傾してしまいがちですが、実はそのほうが危険です。重心が後ろに下がっていると、もし足を捻りそうになったとしても、もう片方の足を出しにくく、とっさのリカバリーができません。足を滑らせた時も、すぐに後ろに倒れてしまいます。
 目線の位置も重要なポイントです。足元ばかり見るのではなく、数歩先の路面に目を向けることで、足のつく位置を予測することができます。足元ばかりを見ていると、この予測が立てられないばかりか、姿勢も後傾してしまい、スムーズな走りが難しくなります。
 また捻挫を防ぐために、つま先を外に開いて走る人もいます。私もそうやって走っていた時期があります。確かに足首は捻りにくくなりますが、結果的にひざへの負担が増加し、内側靭帯を痛めてしまいました。やはりつま先は、進行方向に対してまっすぐにつくのが、一番関節への負担が少ないのだと思います。
 慣れない人は、捻挫や転倒の危険性が高いので、自分でコントロールできないスピードは出さないこと。下りは着地の衝撃が大きく、筋肉へのダメージも大きいので、序盤であればいっそのこと歩いてしまうのも手です。しかし安全を気にしすぎ、スピードを抑えて走ってばかりいては、なかなか上達もできません。終盤で、万が一アクシデントが発生しても、すぐに人通りのあるところまで出られるのなら、思い切ってスピードを上げてみましょう。
 下りを走る際は、上手な人、経験のある人と一緒に走ると良いでしょう。その人の走り方を見れば、理屈ではなく、イメージとして「こうやって走る」というものが、理解できると思います。

きつい上りは上半身の力も使おう

きつい上りは上半身の力も使おう

下り坂では重心を地面と垂直に

 下りでは、大腿四頭筋に大きな負荷がかかります。上りでも同じ箇所を酷使していたのでは、すぐに脚が参ってしまいます。上りではお尻の筋肉や、ハムストリングスを使うことを意識しましょう。
 その際に、つま先を内側に入れると、お尻周りの筋肉を意識しやすいはずです。急峻なところでは、ひざに両手を乗せたり、障害物を掴むなどして、上半身の力を使って上るのも有効です。
 また上りでも下り同様、前傾姿勢の維持が重要。それには骨盤を立てる必要があります。私はもともと猫背気味だったのですが、普段イスに座る時から骨盤を意識し、背筋を伸ばして座るようにしました。すると、自然にフォームが良くなったのです。最近では太ももの内側の筋肉を鍛えるために、座る時は常にひざを閉じるようにしています。仕事が忙しく、なかなかトレーニングができない、という人は、補強の一環としておすすめです。

つま先を内側に入れて、ハムストリングスを使う

つま先を内側に入れて、ハムストリングスを使う