日刊ランナーズ

真冬のトレーニングで見つけた癒しの補給食

 昨日の「日刊ランナーズ」にもあるように、13日(土)に開催した編集部イベント「東京マラソン2週間前追い込み練習」は、降りしきる雪の中、決行。補給食として「チョコレート」と「黒糖飴」を用意しました。
 さあ、どちらが早くなくなったでしょう? 答えは「黒糖飴」だったのです。
 鹿児島や沖縄の大会に出場すると、エイドで目にすることが多い「黒糖(黒砂糖)」。特に、フルマラソン30km以降にひと粒口にし、パワー復活! という経験があるランナーも少なくないと思います。
 厳寒下における負荷の高いトレーニングで、なぜランナーたちは黒糖飴を欲したのか? 考えられる理由を、スポーツ栄養アドバイザーの山根武司先生にうかがったところ、
「黒糖には、けいれん予防に効果があるミネラル類のほか、スタミナアップに必要なビタミンB群が含まれています。そういう意味では、距離走に適していると言えます」
 そして、今回は「飴」だったことも、大きなポイントだったようです。
「飴を製造するさいに使う水飴(麦芽糖)は、砂糖のように血糖値を急激に上げる心配がない、長時間の運動中の補給に適した糖分なので、黒糖飴はこのふたつが融合した、理想的なエネルギー補給食かもしれませんね」
 ちなみにチョコレートも、決して役立たずなわけではありません。
「運動後にミルクチョコレートを食べると、副交感神経に働きかけて回復に向かいます。逆に、ビターチョコレートは興奮状態が続くので、かえって身体が休めなくなるのでおすすめしません」
 濃厚かつ香ばしい甘みで、疲労した心と身体を癒してくれる黒糖。ただし、レース中は食べ過ぎると口の中が「もったり」して、水をたくさん飲みたくなるので注意!

(2010年2月18日 ランナーズ編集部/杉本美香)

黒糖、梅干し、バナナ、オレンジ、塩……その時の気候や体調によって、何を食べるべきか判断するのも、ランナーにとって大切なスキル(2008 NAHAマラソン/撮影・関 大介)

黒糖、梅干し、バナナ、オレンジ、塩……その時の気候や体調によって、何を食べるべきか判断するのも、ランナーにとって大切なスキル(2008 NAHAマラソン/撮影・関 大介)

見た目ではまったくわかりませんが、写真は日本最南端の有人島・波照間島産の純黒糖。いろいろな種類を食べ比べてみると、生産された島によって、風味に微妙な違いがあるのです

見た目ではまったくわかりませんが、写真は日本最南端の有人島・波照間島産の純黒糖。いろいろな種類を食べ比べてみると、生産された島によって、風味に微妙な違いがあるのです

バックナンバー確認