日刊ランナーズ

ハセツネ女子の乱
転倒後は、自分の身体を指差し点検

 第17回ハセツネCUP、1位星野緑選手、2位鈴木博子選手に続き、女子3位は、誰か? トライアスロンからトレランに転身した今泉奈緒美選手が来るだろう、と予想していましたが、そこに飛び込んできたのは佐藤光子先生(大阪教育大学非常勤講師)でした。
 カメラマンや観客が近付こうとして、そこで一瞬空気が凍りつきました。なんと、光子先生の右手の中指が関節とは逆側に曲がっていたのです。すぐに救護室へ。
 翌日、話を聞いてみると、骨折ではなくて脱臼だった、とのこと。
「下りで前のめりに滑ってしまって、手を突いたんです。立ち上がって、ケガはないかと点検している時に指が曲がっているのに気づきました。ジンジンする痛みもないし、腫れなかったので骨折ではないと判断し、そのまま慎重に注意しながら走りました」
と、至極冷静。光子先生は体育の専門家ですが、一般的には自分の指が反対側に曲がってしまったら冷静ではいられないし、骨折か脱臼かという判断はつかないかもしれません。
 トレーニングの成果を十分に発揮するためには、レース中のアクシデントにもしっかり対応できる冷静な判断力と知識も重要だ、と再確認した出来事でした。

(2009年10月16日 ランナーズ編集部/角田尚子)

スタート前の佐藤光子先生。昨年6位、今年は3位と順位を上げた。ゴール後、笑顔はなく、急いで救護に向かう後ろ姿を見かけたが、翌日は元気いっぱいでひと安心

スタート前の佐藤光子先生。昨年6位、今年は3位と順位を上げた。ゴール後、笑顔はなく、急いで救護に向かう後ろ姿を見かけたが、翌日は元気いっぱいでひと安心

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