日刊ランナーズ

景色は良いが、アップダウンにまいった!
第1回下関海響マラソン

 締切前に定員の5,000人を突破するなど、多くのランナーの期待を集めて行われた「第1回下関海響マラソン」。参加者の圧倒的多数を占めたのが、開催地の山口県とお隣の福岡県のランナー(フルマラソンの部5,086人のエントリー中、山口から1,894人、福岡から1,742人と、この2県からの参加者が7割以上)。
 両県ともに駅伝やマラソンが盛んな土地柄で、多くの名ランナーも輩出しているが、フルマラソンの大会となると防府マラソン(今年から制限時間を3時間から4時間に変更)、福岡国際マラソンと、厳しい出場資格や制限時間が設けられた市民ランナーにとっては敷居の高い大会のみ。
 「これまでは『青島太平洋マラソン(12月・宮崎)』か『いぶすき菜の花マラソン(1月・鹿児島)』まで泊まりで遠征する必要がありましたが、下関は日帰りで参加できますし、制限時間も6時間なので仲間全員で出場できるのがいいですね」
 と福岡市のランニング専門店「ランザローテ」が主催する練習会のメンバーは約30人で参加。
 当日は心配された雨も宵のうちにあがり、薄曇りのまずまずのコンディション。前半15kmまではフラットで、関門海峡、壇ノ浦古戦場など見どころも多いが、後半は小刻みなアップダウンが延々と続くせいか「脚にきた」というランナーが多く、記録を狙うのは難しかった様子。それでも、
 「地元なので事前にコースの試走を行った成果が出たのか、自己記録を7分更新できました」
 と3時間6分でゴールした池田冨美彦さんのように、自己ベストが出たという声もチラホラ。
 序盤にコース幅が狭い場所もあり、5,000人という定員は妥当と思われたが、東京マラソンをきっかけに関東周辺でランナーが増加したように、大会の存在が地元のランナー増加に繋がるケースも多い。第1回大会ながら、大きな混乱もなく大会は運営され、ランナーの評判も上々だっただけに、今後のさらなる発展を期待したい。

(2008年11月17日 ランナーズ編集部/高瀬晋治)

前半10kmは本州と九州を隔てる関門海峡沿いを走る。潮流の速さに驚きの声をあげるランナーの姿も

前半10kmは本州と九州を隔てる関門海峡沿いを走る。潮流の速さに驚きの声をあげるランナーの姿も

ゴール地点にある海峡ゆめタワーの高さは143m。残り4kmあたりから視界に入るが「ゴール地点が見えているのに、なかなか近づかなくて……」と精神的にランナーを苦しめた?

ゴール地点にある海峡ゆめタワーの高さは143m。残り4kmあたりから視界に入るが「ゴール地点が見えているのに、なかなか近づかなくて……」と精神的にランナーを苦しめた?

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